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ある連続記録から読み解く「経営」の上手いチーム3+1選

今までチームを「このチーム強いな」とか「好きなプレイヤーいるからこのチームが好きだ」という観点で見ていませんか?スポーツのチームを好きになる上でおそらく多くの人がこのような視点から入ることと思います。僕も好きなプレイヤーがいるチームを一番初めに好きになります。しかし、それ以外の観点から見てみると今まで見たことのないチームの姿や努力を垣間見ることができます。そこで今回は、僕なりに「経営の上手いチーム」というくくりで4チームを独断と偏見で紹介します。

経営の上手いチームの定義

今回紹介する経営の上手いチームの定義は、プレイオフ連続出場記録です。16-17シーズンを入れて、プレイオフに出場する連続年数が多かった3チームを紹介します。

経営の上手いチーム~3選~

サンアントニオ・スパーズ

まず初めにあげるのは、サンアントニオ・スパーズ。ウェスタンカンファレンスの上位にいつも食い込んでくるスパーズは、間違いなく経営の上手いチームの1つにあげることができるでしょう。

20年連続でプレイオフに進出

スパーズは、ポポビッチ政権に変わって、2年目から毎年プレイオフに進出しています。連続年数は20年。

プレイヤーの移り変わり

スパーズのプレイヤーたちの移り変わりについて書いていくことにしましょう。

15-16シーズンを持って現役を引退したティム・ダンカンは97年ドラフト1位指名でスパーズ入り。2001年には28位指名でパーカーを、02年にはジノビリを獲得しました。この3人が揃い「BIG3」と呼ばれるまでに成長を遂げましたが、キャリアを重ねるごとにダンカン中心のBIG3にしたり、ジノビリ中心のBIG3にしたりと試行錯誤を繰り返してきました。

その中で若手のジョージ・ヒルやデジュワン・ブレア、ダニー・グリーンを発掘。2011年にはヒルとのトレードで今やチームのエースとしてもエースキラーとしても欠かせないクワイ・レナードを獲得。11-12シーズンの途中にはスティーブン・ジャクソンやミルズ、デューオウらを獲得。その後も控えに甘んじていたゲイリー・ニールやブレアを13-14シーズンに放出してベリネリやジェフ・エイアーズを獲得。

14年のドラフトでカイル・アンダーソンを獲得し、オフにはオルドリッジやデイビッド・ウエストを獲得。16-17シーズンには引退したダンカンの代わりとしてガソルやデイビッド・リー、デドモンを獲得するなど、プレイヤーの入れ替わりは激しいものの、適材適所の補強をしチーム力を常に高い水準に保ちながらNBA界を戦い抜いてきました。

ダンカンが抜けたことによってチーム力は落ちると予想されていましたが、そんな不安も払拭し16-17シーズンはカンファレンスファイナルまで進出。17-18シーズンも相変わらずの堅守でスパーズ”らしさ”を見せてくれています。

スパーズは「チームバスケ」の象徴的なイメージを持たれることが多く、Twitterではスパーズのパスワークの動画が上がるほどに素晴らしい連携・チーム力を見せてくれていますが、彼らは13-14シーズンにロスターの内9人が1試合平均8得点以上という非常に稀なケースを生んでいました。簡単に言えばスタメン+控えから10点近くを稼ぐプレイヤーが4人出てくるのです。非常に脅威なオフェンス力とも言えますよね。

GMなどのスタッフ

スパーズは今のポポビッチHCがGMを務めていた時期もありますが、2002年から今までずっと変わらずにビュフォードという方が務めています。彼が就任して以来、数多くの指導者や経営者を輩出しています。

一番名前が知られている人で言えば現在アトランタ・ホークスにてHCを務めるマイク・ブーテンホルザー。HC就任1年目からホークスを上位に導いたことから、度々「スパーズのAC出身」であることが報道されていました。そのほかのスタッフを紹介します。

  • モンティ・ウィリアムズ・・・ニューオーリンズ・ホーネッツやペリカンズで指導経験を持つ。2016年9月からスパーズのバスケットボール関連部門の副社長に就任。
  • ビニー・デルネグロ・・・ブルズやクリッパーズで指導経験を持つ。デリック・ローズやグリフィンの才能を開花させたことで、若手育成能力に定評がある。
  • マイク・ブラウン・・・キャバリアーズやレイカーズでの指導経験がある。16年からウォリアーズでACを務めている。
  • ブレッド・ブラウン・・・10年近くスパーズでACを務めた後、13年から76ersのHCに就任。

メンフィス・グリズリーズ

次にあげるのはメンフィス・グリズリーズ。毎年勝率はそれほど高くないものの、プレイオフに滑り込んでくるNBA界を生き抜く巧者と言えるかもしれません。

7年連続でプレイオフに出場

グリズリーズは、16-17シーズンまで、7シーズン連続でプレイオフに出場しています。

プレイヤーの移り変わり

グリズリーズがプレイオフに出場できるようになった影には、あるプレイヤーの加入が非常に大きかったと僕は考えています。そのプレイヤーはザック・ランドルフです。

ランドルフは2009年にトレードでグリズリーズ入り。当時は素行も悪いことで有名でしたがグリズリーズに入ったことでみるみる改善され、チームに徹するプレイヤーに変貌を遂げました。その後2010年と13年にはオールスターゲームにも出場し、リーグ屈指のPFとして活躍しました。

グリズリーズはランドルフ獲得以前の2006年にはドラフト直後のトレードでルディ・ゲイを獲得。07年には、守備職人トニー・アレンの獲得、マイクコンリーを1順目4位で指名、ドラフト直後のトレードによってレイカーズからマーク・ガソルを獲得するなど、この時期にチームの核となるプレイヤーを揃えました。

その後もシェーン・バティエーやティーション・プリンス、チャンドラー・パーソンズ、ビンス・カーターなどを獲得しチームはプレイオフ常連となりました。

現在はチームの核であったランドルフやトニー・アレン、カーターなどを放出し若手主体のチーム構成としています。チーム状況やロスター的にプレイオフ連続出場記録は7年で途切れることになる可能性がかなり高いですね。

GMなどのスタッフ

2009-10シーズンから招聘したライオネル・ホリンズHCの力もあり、翌10-11シーズンではチーム史上初となるプレイオフ出場を果たしました。ホリンズの後は13-14シーズンにデイビッド・イェーガーがACからHCへと昇格を果たし、3年連続50勝以上のチーム記録を樹立。そのイェーガーは現在サクラメント・キングスでHCとして活躍しています。

アトランタ・ホークス

最後に挙げるのはアトランタ・ホークスです。ホークスは16-17シーズンまで10年連続でプレイオフに進出しており。言わずと知れた東の強豪です。

プレイヤーの移り変わり

アトランタ・ホークスは今まで、数多くの「役者」と言える存在を輩出しています。

まずは、2005年にジョー・ジョンソンを獲得。07年にホーフォード、08年にマイク・ビビー、09年にジェフ・ティーグ、12年にカイル・コーバー、13年にはデニス・シュルーダー、デマーレイ・キャロル、ポール・ミルサップを獲得。主にこの面々がホークスのプレイオフ連続出場記録に関わってきました。

カンファレンスファイナルまで進んだ14-15シーズンでは、シーズンのカンファレンス順位が1位で、その時のスタメンのティーグ、ミルサップ、コーバー、ホーフォードの4人はオールスターに選出されるなど、リーグを代表するプレイヤーへと成長。この年のスタメンの5人はすでにチームを離れており、現在はシュルーダー、ベイズモア、トーリアン・プリンス、ジョン・コリンズなどが再建を託されています。

GMなどのスタッフ

現在クリッパーズでACを勤めているマイク・ウッドソンや、レイカーズ、ウィザーズ、ネッツなどでACを歴任してきたラリー・ドリュー、スパーズ時代には4回の優勝をACとして果たしてきたマイク・ブーテンホルザーなどがここ10年ほどではHCとして指揮を執っています。

番外編

ここまではトップ3のチームを紹介してきましたが、最後に番外編と題して、もう1チーム紹介します。

ダラス・マーベリックス

番外編で紹介するのはダラス・マーベリックスです。マーベリックスは00-01シーズンから11-12シーズンまで12年連続でプレイオフに進出してきたチームです。

マーベリックスは、2000年にマーク・キューバンがGMに就任。

今もなおGM職には就いているが、豊富な資金力を軸にアントワン・ジェイミソン、ジェイソン・テリー、ショーン・マリオン、カロン・バトラーなどのプレイヤーを次々に獲得し、一躍強豪チームへと押し上げました。HCには04-05シーズンから数シーズンに渡ってエイブリー・ジョンソンが勤め、08-09シーズンからはリック・カーライルがHCとして指揮を執っています。

まとめ

今回の記事では「経営の上手いチーム」と題して、4チームを紹介してきました。今回紹介してきたチームの中でも特にダントツで経営が上手いなと思うのはスパーズです。ポポビッチ政権が始まって早20年。その間常にプレイオフに出場し続けてきました。スパーズは若手とベテランとの融合が上手く、スーパースターを獲得しなくともその強さを発揮しています。代わりにスパーズの哲学に理解を示すことができるであろうベテランを獲得して、見事にフィットし、スパーズバスケは衰えるところを知らないのです。今はダンカンが引退し、ジノビリも間も無く引退すると見られており、パーカーのプレイタイムや支配力が衰えていたりと、一時代の終焉を迎えようとしています。それでもレナードやアンダーソン、マレー、ベルターンズなど今後もスパーズを背負っていけるだけの力量を持つプレイヤーが多くいることも確かです。

また、そのプレイヤーを育てるスタッフ陣も、スパーズは育成が上手いですよね。先ほども名前を挙げていましたが、ブーテンホルザーやブレッド・ブラウン、マイク・ブラウンなど多くのACや HCを輩出しています。

このスパーズに近い雰囲気を今感じているのはウォリアーズです。生え抜きのカリー、トンプソン、グリーンを軸に戦い、ジョーダン・ベルやマコーを育て、ピンポイントでの補強をしてきます。スーパースター獲得に大金をつぎ込むことはありましたが、完全にウォリアーズ哲学は継承されつつあると僕は感じています。

ぜひ今後は、このようなチームの経営、長い目で見たときに安定した強さを誇り続けるチームを「やりくり上手だな」と感じながら見てみると面白いかもしれません。

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