バスケをプレイしている人であれば、誰もが1度は「セーフティ」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?練習中に監督やチームメイトの間でよく聞く言葉です。
しかしながら、中にはセーフティがどんな役割でどんな目的なのかを教えてくれないまま、練習中に発言する監督もいます。
すると、中にはセーフティが何かわからないプレイヤーもいるのが当然です。そこで今回は、セーフティがどんな役割を持っていて、どんな目的で、何をすればいいのかを解説していきます。
目次
バスケ用語「セーフティ」とは?
バスケの時に使用される「セーフティ」という言葉はどんな意味があるのか紹介していきます。
「セーフティ(Safety)」は日本語では「安全性」と訳されます。バスケ用語として用いられる際には、安全を確保するという意味だと覚えておいてください。
主にオフェンスからディフェンスに切り替わる際に「セーフティ」という言葉を用いるのですが、味方がシュートを打ったり、相手にボールを奪取された際に早めに自陣に戻ってディフェンスの体制を準備したりします。
バスケにおいてセーフティをする目的
セーフティをする目的は、ディフェンスの体制をすぐに整えておくということが1つですが、最大の目的は相手の速攻を防ぐことです。
例えば身長が190~200cmを超えているプレイヤーがいるチームは、リバウンドが強いと考えられ、速攻を多用するチームが多くあります。
その場合、自分たちがシュートを打つと相手チームのプレイヤーはオフェンスへと走り出しますので、相手にリバウンドを取られてしまうと1つのパスで簡単なレイアップシュートに持ち込まれてしまいます。
速攻で得点できるというのは、非常に簡単な方法ですので、相手の速攻はなるべく抑えた方がいいですよね。そこで大事になってくるのが「セーフティ」という役割です。
セーフティを主に行うプレイヤー
セーフティを主に行うプレイヤーは、ポイントガードやシューティングガードなど、身長の低いガードのプレイヤーです。もちろんチームによって違う場合もありますが、基本的にはガードのプレイヤーがセーフティとして自陣にすぐに戻ります。
ガードのプレイヤーは、比較的3Pラインの外でプレイすることが多いため、自陣までの距離も近くすぐに戻ることができます。
仮に味方がオフェンスリバウンドを取ったとしても、主なプレイエリアである3Pライン付近まで走ってすぐに到達できるので、オフェンスへの参加もしやすいという特徴があるんです。
ガード以外がセーフティをすることもある
「セーフティはガードの役割」という訳ではなくて、場面によってはフォワードもセンターもセーフティを行うケースがあります。
例えばガードのプレイヤーがゴール付近まで切り込んでシュートを打った場合や、フォワードやセンターが3Pラインのトップ付近にいる場合には、自陣への距離も近いのでセーフティを行うケースがあります。
その都度味方とコミュニケーションを取るように意識し、誰がセーフティに戻るのかという意思の疎通も行いましょう。
セーフティは何をするの?
ここからは、セーフティは何をすればいいのかを紹介します。
先ほども言ったように、セーフティは速攻を防ぐことが最大の目的ですが、他には「ピックアップ」やディフェンスの陣形をすぐに整える役割があります。
ディフェンスに戻ってくるチームメイトに「どこを守って欲しいのか」を伝えるためのコミュニケーションも必要です。
セーフティをした後にバスケ特有の「ピックアップ」を行う
セーフティをした後は、バスケ特有の「ピックアップ」という作業を行います。「ピックアップ(Pick Up)」は日本語では「拾う」と訳されるのですが、バスケで用いられる際にはオフェンスを捕まえると覚えておいてください。
シュートが決まった後であれば、試合開始時に決めたオフェンスをマークすることもできますが、シュートが外れた時やターンオーバーをした際には、マークするオフェンスがずれることがあります。チームメイトと声を掛け合いながら、誰をマークするのか瞬時に決めましょう。
例えばあなたがポイントガードのプレイヤーだとしましょう。相手のフォワードが走ってきている中、そのフォワードをマークするあなたのチームメイトは戻ってきていません。そんな時には、あなたが「このフォワードを守る」ということを、チームメイトに教えてあげてください。
すると、本来フォワードをマークするはずのチームメイトは、別のプレイヤーをマークします。こうすることで、ディフェンスの体制を整えるのがピックアップです。
実際のセーフティ・ピックアップのシーン
実際の試合から、どのようにセーフティ・ピックアップを行うのかを見ていきましょう。こちらの動画をご覧ください。
ボールがディフェンスに奪取された後に、黄色の#3と#0のプレイヤーがボールに集まることなく自陣へと戻りディフェンスに備えていることがわかりますか?
これがセーフティです。シュートを打った時だけではなく、ボールを相手に奪われた時でも素早く自陣へと戻るのがセーフティです。
そして黄色の自陣にボールが入ってきた時に、画面の中で最も左にいる黄色の#0が手を使って指示を出していることがわかります。これは、ピックアップのコミュニケーションを取っているはずです。
本来であれば、黄色の#0がマークするのは相手の#40ですがこのシーンでは#77をマークしています。そして#40はディフェンスが誰もいない状況なので、#40をマークするようにチームメイトに指示を出していますよね。
これがピックアップです。
速攻を出された時のセーフティの守り方
先ほど紹介したシーンのように、ボールを相手に奪われた(自分のチームがターンオーバーをしてしまった)場合は、ボールに群がることなく自陣へと戻り速攻を防ぎましょう。
先ほど紹介したシーンでは、無理やりシュートに行くことはしませんでしたが、ディフェンスが戻っていても無理やりシュートをしてくるオフェンスもいますから、注意が必要です。
人数が同数orディフェンスが多い場合
万が一速攻を出されそうになった場合、ディフェンスとオフェンスの人数が同じの時はマンツーマンでオフェンスをマークするようにしましょう。
ディフェンスの方が人数が多い場合には、マンツーマンでオフェンスをマークしつつ、マークするオフェンスがいないディフェンスのプレイヤーは、ピックアップの指示を出したりゴールへの道を塞ぐようにしてディフェンスを行います。
ディフェンスが少なくアウトナンバーになっている場合
ディフェンスが少なくアウトナンバーになっている場合には、ディフェンスはオフェンスと駆け引きをしながらディフェンスの戻りを待つか速攻を食い止めます。
例えばディフェンス1人に対しオフェンス2人の時や、ディフェンス2人に対しオフェンス3人の場合には、オフェンスが数的優位ですよね。
その時は、マンツーマンでオフェンスをマークしてしまうと、ディフェンスにマークされていないフリーのプレイヤーが1人必ず出てきます。
フリーを作ってはいけないので、1人で2人を・2人で3人を守れるようにゾーンディフェンスの様な形で速攻を食い止めましょう。
まとめ
セーフティというのは、ディフェンスにおいて相手の簡単なシュートや得点チャンスを防ぐためにも非常に大切な役割です。
試合中に何度も何度もセーフティの場面・ピックアップを行う場面が出てきますが、毎回毎回ミスなくこなすためにしっかりと頭の中に叩き込んでおきましょう。
特にピックアップを行う際には、チームメイトとのコミュニケーションが必要不可欠なので、日頃からコミュニケーションを取ることを習慣づけるためにも、練習から意識してみてください。