
今回は、ディフェンス時に関係してくる「スティール」のコツについて紹介していきます。
僕自身はスティールがかなり得意で、社会人の試合では1試合平均3つ近くのスティールをします。
そんな僕が教えるコツさえ掴めば、あなたもスティールが上手くなります。空振りをなくして、スティールする回数を増やすことができるようになるでしょう。
スティールのコツを知りたい人はこのまま最後まで読み進めてくださいね。
目次
スティールの極意

それでは、どうすればスティールができるようになるのかを紹介しようと思うのですが、まず全てをお伝えする前に、あなたに知っていただきたいスティールの極意があります。
99%取れると思ったら飛び出ろ
スティールをしようとしてむやみにボールに飛びついても、取れなくて相手にボールを繋がれることはよくあります。仮にあなたが飛び出したせいで相手が数的優位になってしまったら、オフェンスがしやすくなるので失点の可能性が高くなりますよね。
ディフェンスはあくまでも相手に点を取らせないことが目的です。スティールをたくさんして速攻で点を取ることが目的ではないのです。ここは必ず頭に入れておいてください。
スティールばかりを狙っていたら、その裏を突かれたり、ギャンブルなプレイになりかねません。
むやみに飛び出したところでスティールはできるものではなく、スティールにはコツがあります。次の章からそのコツについて紹介していきます。
スティールのコツ
僕自身が考えるスティールのコツは、以下の3点です。
- 間合い
- タイミング
- 予測
なぜその3点なのか、紹介をしていきます。
いくつか専門用語が登場しますが、ディフェンスの専門用語に関しては、以下の記事をご覧ください。
間合いは詰めすぎてはダメ
まずはじめに間合いについて。スティールをする場面は大きく分けて2つあります。
- オフェンスがドリブルをしている時。
- オフェンスのパス交換の時。
この2つです。ここで間合いが関係してきます。
例えば、オフェンスがドリブルをしている時にオフェンスに密着したとしましょう。するとオフェンスは、ボールをカバーするためにディフェンスに背を向けますよね?
手を伸ばすことはできても届かず、最悪の場合ファールが吹かれることもあります。
また、パス交換の時も、自分のマークマンにボールを入れさせないように守る(バスケ用語:ディナイ)と、オフェンスがパスを出すことができません。(この守り方はもちろん有効で、厳しいディフェンスをしてくるチームはディナイを必ずやってきます。)
ドリブルを守る場合でもパスを守る場合でも、以下のように守ることは非常に重要です。
- ぴったり密着する
- 厳しいタイトなディフェンス(ディナイ)をする
ただしディナイをしている場合は間合いが近いのでディフェンスが警戒し、安易にボールを身体の前に置いたり、パスを出したりしてきません。
一方で、少しオフェンスから離れておくことでオフェンス側の警戒心も少し弱くなり、身体の前でドリブルをついたりパスを出したりするでしょう。
スティールをする場合には、絶妙な間合いを空けておく必要がありますので、オフェンスの身体を正面を向かせるような間合いにしたり、ディナイをせずに守ったりすることが1つのコツです。
飛び出すタイミングが重要
続いてはタイミングです。
これは飛び出す(スティールを狙う)時のタイミングのことです。人それぞれ脚力が全く違うためこれは言葉では説明が難しく、抽象的な表現になりますが、実践をしていけば身体に身につくはずです。
スティールを狙う上では、「ドリブルをつくためにボールが手を離れた瞬間」「パスを出した瞬間」を狙いましょう。このタイミングで飛び出せばスティールが成功する確率も上がります。
ここでは、速すぎても遅すぎても意味がありません。
- タイミングが速すぎた場合・・・速すぎると、ドリブルを回避したりパスを出すことをやめて、自分のマークマンにドライブインされたりバックドア(ディフェンスの背後をついてゴールに走りこむこと)をされます。
- タイミングが遅すぎた場合・・・スティールができずに空振りになって、ドライブインをされてオフェンスが数的優位になり、失点をする可能性が高まります。
これは個人個人の脚力・予測によるものなので僕のタイミングがあなたには合わず、あなたのタイミングが僕には合わないと言うことが十分に起こり得ます。
そのため、一概にも「このタイミングで飛び出れば絶対にスティールできる」というタイミングはありませんが、そこは自分自身の中で身体に身につけてください。
練習を繰り返すことで、スティールは無意識のうちに自分の中に染み付いてきます。
予測をしないとスティールはできない

最後は予測について。予測は、スティールの中で最も大切なことです。
- この間合いならまだ同じドリブルをついてくるだろうな
- この間合いにしておけば、オフェンスはパスを出してくるだろうな
- こっちを見ているからパスしそうだな
- あの選手はパスが遅いから狙えるな
このように、自分の中で予測を立てて、実践してみてください。
もちろん「予測」なので100%当たるワケではありません。100%当たるワケではありませんが、スティールのできる選手は必ず予測をしています。
確実に成功する訳ではないですがスティールをしたいのであれば、予測しなければいけません。
その予測はなんとなくで構いません。予測に「絶対」はないので、あくまでも仮説を頭の中に浮かべて次の行動に活かすのです。それを常にできる選手がスティールの上手い選手です。
予測をする際のコツとしては、以下のように”全体”を見ておきましょう。
- ボールを持っているオフェンスの顔・目
- 自分の守っている選手
- コート内でフリーの選手
- 味方のディフェンスの位置
この辺りを見ておけば、問題ありません。場面場面で見るポイントは分けるのですが、僕は基本的にはここを見ています。
スティールのやり方
スティールのやり方はいたってシンプル。ボールをオフェンスから遠ざければいいだけです。
ドリブルをスティールする場合
- オフェンスのいない方に弾く
- オフェンスの背後に弾く
パスをスティールする場合
- 走っている方向に向かって弾く(攻めるリングの方へ)
- キャッチできない場合にはコート外に弾く
「ボールを保持」することでスティールにカウントされますが、もし「ラインの外に出てしまう」と思ったら、ボールは保持せずに外に弾き出しましょう。
ボールを無理に保持して、そのままラインの外に出てしまうと、相手ボールになるだけではなくショットクロックが24秒に戻ってしまうことがあります。
コートの外にボールを弾くとスティールにはカウントされませんが、ショットクロックは継続されたままとなるので、時計を止めるという技術の1つとも言えます。
ボールをキャッチできないと思ったら、自分が走っている方向やコートの外に弾き出しましょう。コートの外に弾き出せばオフェンスのリズムを1度断ち切ることができます。ディフェンスも、立て直す一瞬の時間が作れますよ。
スティールのメリット・デメリット
スティールは相手からボールを奪い、自分たちの攻撃権にすることができるプレイですが、スティールをするにあたってはメリット・デメリットが存在します。
- マイボールにできる
- 速攻で簡単に点を取れる
- 流れを自分たちに引き寄せることができる
スティールに成功すると、マイボールになって速攻から点を取ることができたり、相手の流れを断ち切り自分たちに流れを引き寄せたりすることができるようになります。
一方で、スティールを狙って失敗してしまうと、以下のような事態が起こります。
- スティールできなければオフェンスに数的有利を作ってしまう
- スティールばかりを狙いすぎて、裏をかかれる
- ファールの危険性がある
スティールができなければ、オフェンスに数的有利を与えてしまうことになったり、裏をかかれてしまったりと、相手にチャンスを与えることになります。
また、無理にスティールをしようとして身体接触が起こると、ディフェンス側のファールに繋がることもあります。
前述したスティールのやり方次第で、自分たちにとってのデメリットをなくすことにも繋がるので、ここで紹介した通りにスティールをやってみてください。
スティールをしようとして吹かれることがあるファール

先ほど「ファールの危険性がある」と紹介しました。スティールを狙っている際に特に吹かれやすいのが以下の種類のファールです。
- ハッキング:オフェンスの手を叩いてしまった時
- プッシング:オフェンスを後ろから押したりした時
特に、ハッキングに関しては、オフェンスの手を叩くとすぐに吹かれてしまうので注意が必要です。ドリブルをスティールしようとするとオフェンスがボールを手で隠してくることもあるので、その時に吹かれてしまいます。
また、パスをスティールしようと思い切って飛び出すと、オフェンスに接触してプッシングのファールを吹かれることがあります。
ファールを吹かれてしまったら意味がないですし、チームにも迷惑をかけることになりかねないので、ファールは極力避けたいですよね。
「ファールになるかも」と思ったら踏み止まることも必要です。
スティールでターンオーバーを誘える

スティールを狙っていて失敗したとしても、場合によってはオフェンスのミス、すなわち「ターンオーバー」を誘発できることがあります。
オフェンス側は当然、ディフェンスにボールを奪われたくないので、スティールを回避するためのパスを出すこともあります。
すると、パスが逸れてしまったりオフェンス同士の息が合わなかったりして、ミスになるケースがあるんです。
スティールを狙うことはオフェンス側のミスも誘えると覚えておきましょう。
スティールの裏技を教えます
では最後に、スティールをする際の「裏技」を紹介します。スティールの中でも「パス」のスティールをするときにこの裏技はかなり有効で、オフェンスにも気づかれにくいので覚えておくことをおすすめします。
その裏技とは「隠れる」です。
オフェンスの大きな選手の背後に隠れたり、ボールマンの視野から外れたり、パスを出すプレイヤーに気づかれなければ大丈夫です。
あなたが見えなければ、オフェンスはあなたのマークしている選手に対して「こいつはフリーだからパスが出せる!」と思うのでパスを出してきますよね。そこを狙ってスティールをしましょう。
パスが出た瞬間に見えないところから飛び出してきてスティール。
パスをするボールマンからディフェンスであるあなたが見えないということは、オフェンスがフリーに見えているのと同じです。フリーに見えていればそこにパスを出しますよね?その心理を狙ったプレイです。
これを意図的にできるようになれば、スティールの確率は高まるはずです。
隠れることを意識し過ぎて、自分のマークするオフェンスを離し過ぎてしまうと、他の場所へ移動された時に対応できなくなるケースもあります。
まとめ
今回の記事では、スティールに関して触れてきました。大事なことは、以下の4つです。
- 99%取れると思ったら飛び出る
- オフェンスとの間合い
- スティールに飛び出るタイミング
- 予測
この4点を意識していればスティールは得意になるはずです。まずは実践することから始めてみてくださいね。
スティールってどうやったら上手くなるの?狙ってるといつも空振りしちゃうんだ。。