先日、僕の出身高校の練習に顔を出しに行きました。その時に、現役Bリーグの選手が高校生に混じって一緒にプレイをしていたのです。その選手は、体格に恵まれているかといったら恵まれていないですし運動能力も高いわけではありません。
そのプロの選手を見ていて、上手い人に共通している「スティールされないドリブルのつき方」があることに気づきました。
今回のこの記事では、「ドリブルが上手い人は何が上手いのか」というところにフォーカスして記事を書いていきます。
目次
バスケプレイヤーに知ってもらいたい上手い人の「ドリブル」
それはドリブル(ボール)を取られることが本当にない、ということ。
プロの選手は高校生に比べたら確かに身体はガッチリしていて、当たり負けしないのは当然のことなのですが、プロだったら平均くらいの筋肉です。
それでもドリブルをカットされないんですよね。高校生で体格のいいガードもいたのですが、その選手はドリブルカットを何度もされていました。
その2選手を見たときに感じたことがあったのでここでシェアさせていただきます。
プロと高校生の「ドリブル」のつき方の違い
プロと高校生。ドリブルを取られない選手と取られる選手の違いは、ディフェンスを見ているかどうかです。
ドリブルを取られないそのプロの選手は、ボールハンドリングに長けているわけでもありません。
しかし、ディフェンスにマークされた際のボールの位置や選択するドリブルが取られやすい選手と違いました。
プロの選手のドリブルの特徴は
- ボールの位置がディフェンスから遠い
- ディフェンスの前にボールを出さない
- 不容易なクロスオーバーをしない
- ディフェンスを見ている
この4点で、ディフェンスを見ているからこそできるプレイです。
一方でドリブルを取られる高校生の選手の場合には、
- ボールの位置がディフェンスに近い
- ディフェンスの前にボールを出す
- クロスオーバーが多い
- ディフェンスを見ていない
このような傾向にあって、ディフェンスのことを見ておらず自分の好きなプレイばかりしているのでディフェンスにとってドリブルをカットしやすく、守りやすい選手になっているのです。
ディフェンスのことを見ずに、ただ自分のやりやすいようにしているからディフェンスにカットされてしまうのです。密着されたときでも、自分の好きなプレイばかりをする選手がいますが、それでドリブルを取られるのは当たり前です。
そしてクロスオーバーを何度もするのも実はよくありません。
ディフェンスに予測されやすいということと、何度もボールを移動させるので自分自身が抜くタイミングを失いますし、それだけボールを自分の手から離している時間が長いのです。
いいドリブルはどんなドリブル?
僕が考える「いいドリブル」とは、自分の手をボールが離れている時間が短いドリブル、です。
ディフェンスがどのタイミングでドリブルのスティールを狙っているかというと、ボールが手から離れている時です。ボールが手から離れている時というのは、ボールをコントロールすることができません。そのタイミングを狙っているのです。
一方、ボールが手についている時にコントロールすることは可能なので、その時にディフェンスがスティールを狙ってきたとしても回避することができます。
ドリブルをついている時にボールが自分の手を離れる時間を極力短くするためには、
- ドリブルを強くつく
- ドリブルを低くつく
- クロスオーバーを多用しない
ことです。ドリブルを強くそして低くつくことですぐに自分の手元に返ってくるので、必然的にドリブルが自分の手を離れている時間が短くなります。
クロスオーバーをした場合もボールは手から離れていることになります。そして、クロスオーバーをしている時の方が実はディフェンスはスティールがしやすいです。
なので、ここで書いた3点を意識してドリブルをついてください。
最も効果的な、ディフェンスに取られないドリブル
そして僕自身が思う、最も効果的なディフェンスに取られないドリブルは、「ディフェンスから遠い位置につくドリブル」です。
こうすることで、物理的にディフェンスはボールに手が届かなくなりますし、無理に取ろうとすればファールをコールされることもあるので、むやみにスティールを狙ってくることは無くなります。
これは当たり前のことですが、ここを見落としている選手が多いです。
ディフェンスに密着されているときには背を向けてボールを遠ざけたりしますが、少し間合いを空けられているときにボールを前に出してしまう選手が多いです。
僕がディフェンスをするときには1番このときを狙っています。絶妙な距離をとって、オフェンスが正面を向いて正面でクロスオーバーをする瞬間を狙います。
ディフェンスの時は1アーム(腕1本分の距離で守るのが基本)の距離で守っているときがスティールしやすいです。
今回見たプロの選手は1アームで守られているときでもドリブルは低く強く、そしてディフェンスから遠い位置でドリブルをついていました。一方で高校生は高くゆっくり、そしてディフェンスの前でついているのです。
この高校生の状態ではとっさの時に対応がしにくい。急に距離を詰められた時や、スティールをしようと手を伸ばしてきた瞬間に回避できない、なんてこともあります。
ディフェンスが、いきなり距離を詰めてきてボールにチェックしてきたら、ドリブルが緩いのでボールが床から跳ね返ってくるのが遅いですし、高くついているのでその分のタイムロスがある。そしてコントロールもしにくい。
僕が思うドリブルの大事な点は、
ボールが手から離れている時間を短くして、ディフェンスから遠ざける
ということです。ここを無意識にやれる状態まで習得することができれば、ドリブルをスティールされることはほとんどなくなるはずです。
ガードの僕たちは、ドリブルが取られることは命取りと同じ。ボールをしっかりと扱えなければガードが務まるはずはありません。
まとめ
今回の記事では、ドリブルを取られる選手と取られない選手の違いについて触れてきました。
最後まで読んでくれた人はおそらく、
- ドリブルを高くついていた
- ドリブルをゆっくりついていた
- ディフェンスの前にボールを見せていた
- クロスオーバーを頻繁に使っていた
このどれかが、1つでも当てはまるはずです。
これをしているとディフェンスにとってはスティールの格好の餌食になります。ドリブルを取られないようにするためにも、
- ドリブルを低くつく
- ドリブルを強くつく
- ディフェンスから遠いところでドリブルをつく
- クロスオーバーを頻繁に使わない
この4点を意識し、ボールから離れている時間を極力短くできるように意識してみてください。それだけであなたのドリブルはディフェンスに取られにくいドリブルに変わるはずです。