17-18シーズンから導入され、日本人の渡邊雄太選手が2way契約を結んだということもあり、非常に注目が集まっている契約形態です。
2way契約はややこしい部分などもあるので、この記事では制度や決まりを詳しく紹介していきます。
目次
2Way契約という新形態ができた背景
後ほど紹介しますが、2way契約は17-18シーズンから導入されました。この新形態ができた背景には、NBAが抱えていたいくつかの課題があるのです。
給与面の課題
まず、Gリーグに所属しているプレイヤーは、いくらNBAの下部チームのプレイヤーとは言っても待遇面ではかなり劣ります。
特に給与面での差は顕著で、以前シーズン終盤にレイカーズにコールアップされたアンドレ・イングラムは、プレイヤーとしての給与だけでは生活できないとのことから、シーズンオフには家庭教師をしながら家族を養っていたそう。
そんなGリーグの給与面での課題を解決するために2way契約ができました。
プレイヤー流出の課題
GリーグはNBAの全30チームの育成の場として活用されているものの、給与面での改善や出場機会を求めて海外のリーグへ挑戦するプレイヤーが多くいました。
海外リーグへプレイヤーを流出してしまうと、有望なプレイヤーを留めて置くことができず、育成が満足に行えないことで長期的なチーム作りができないようになってしまったのです。
給与面での改善や、NBAのトップチームでの試合出場などの課題を解決する1つの方法として、2way契約ができました。
NBAの新制度「2way契約」とは?
NBAに17-18シーズンから導入された「2way契約」というのは、簡単に言うとトップチームと下部チームを行き来できる契約のことを言います。
トップチームというのは、NBAのリーグに加盟している30チームのことを言い、下部チームというのは30チームのうち27チームと提携を結んでいるGリーグに所属するチームのことを言います。
トップチームはロスター15人に加えて、最大2人まで2way契約を結ぶことができるのですが、2way契約を結ぶことができるプレイヤーは、NBAの在籍年数が4年以下と言う条件があり、同じチームとは2年間しか2way契約を締結することができません。
トップチームに帯同できる日数に決まりがある
2way契約を結んでいるプレイヤーは、トップチームに帯同できる日数が決まっています。その日数は45日間。
45日間はトップチームのロスターに登録されることが可能で、仮に45日間の日数を終えたとしても、再度2way契約を結んだり、トップチームとの本契約を結ぶことが可能です。
45日間というのは、Gリーグのシーズン中の場合であって、Gリーグのキャンプ前とシーズン終了後は、45日間にカウントされることなくトップチームのロスター登録が可能となります。
主な活動チームはGリーグのチーム(下部チーム)
2way契約を結んだプレイヤーが主に活動するのはGリーグのチーム(下部チーム)となります。Gリーグのチームで活動をする中で、トップチームに怪我人が出て選手層が薄くなってしまうなど、必要な場合に「コールアップ」と言ってトップチームへと呼ばれ帯同します。
GリーグはNBAに生き残るかどうかの当落線上にいるプレイヤーや、トップチームに所属する若いプレイヤーに、経験を積ませる場所として活用され、NBAのトップチーム入りを目指して日々争いが繰り広げられます。
17-18シーズンは81人が2way契約を結んだ
この2way契約という制度が導入されたのは17-18シーズンからとなります。17-18シーズンは81人のプレイヤーが2way契約を結び、75人がトップチームでのデビューを果たしました。
実に92%のプレイヤーがトップチームでの出場を果たしているのです。
2way契約は給与面の改善が見込まれるが・・・
2way契約と言う制度が導入されたことで、NBAに生き残れるかどうかの当落線上にいるプレイヤーの給与面での改善が見込まれています。
しかし給与面での改善が見込まれる一方で、2way契約を結んでいるプレイヤーは提携を結んでいるトップチームにしかコールアップされないと言うデメリットが存在します。
どう言うことかと言うと、Gリーグに所属する2way契約を結んでいないプレイヤーは、所属しているGリーグチームの提携するトップチームでなくてもコールアップされるからです。
2way契約の場合には、トップチームに怪我人が出てしまったなどの理由の時には、優先的にコールアップされますが、提携するトップチーム以外からのコールアップがないため、出場機会が制限されると言うデメリットがあるのです。
渡邊雄太選手はグリズリーズと2way契約を締結
史上2人目の日本人NBAプレイヤーとして2018年10月27日にデビューを飾った渡邊雄太選手は、メンフィス・グリズリーズと2way契約を結んでいます。
NBAの若手の登竜門でもある「サマーリーグ」にブルックリン・ネッツの一員として参加した渡邊雄太選手は、サマーリーグの全日程が終了してからすぐにグリズリーズと2way契約を締結。
先ほども記したように17-18シーズンは全81人の2way契約を締結したプレイヤーのうち、75人がNBAでプレイをしていたことから、渡邊雄太選手がグリズリーズでプレイするのは時間の問題と言われていました。
そんな中で見事にトップチームデビューを果たした渡邊雄太選手に今後も注目です!
2way契約から本契約を勝ち取ったNBAプレイヤー
17-18シーズンから導入された2way契約ですが、シーズン中に2way契約からトップチームとの本契約を勝ち取ったプレイヤーが存在します。
クイン・クック
クイン・クックは、18-19シーズン現在ゴールデンステイト・ウォリアーズに所属しているポイントガードのプレイヤーです。
2017年の10月にはアトランタ・ホークスとトレーニングキャンプ契約を結んだものの、のちに解雇され、同年10月17日にウォリアーズと2way契約を締結。
ウォリアーズのポイントガードといえば、スーパースターであるステファン・カリーが務めていますが、17-18シーズンは故障離脱が多く、カリーの離脱中にウォリアーズにコールアップされました。
過去にはマーベリックスやペリカンズでのプレイ経験はあるものの、2017年12月6日の試合でキャリア初の先発を任されると、3月には25点→28点→30点と3度のキャリアハイを更新。活躍が認められ、レギュラーシーズン終了目前の4月10日にウォリアーズとの2年契約を締結しました。
CJ・ウィリアムス
CJ・ウィリアムスは、18-19シーズン現在ミネソタ・ティンバーウルブズと2way契約を結んでいるシューティングガードのプレイヤーです。
17-18シーズンはロサンゼルス・クリッパーズと2way契約を結んでいて、故障者が多かったチームにおいて貢献をしたことが認められ2018年4月にクリッパーズと保証なしの2年契約を締結しました。
しかしながら、その後オフシーズン中に解雇されてしまい現在はウルブズと2way契約を締結しています。
2way契約に限らずNBAは解雇もよくある
2way契約はトップチームとの本契約を締結するチャンスもあり、NBAを目指しているプレイヤーにとっては貴重な契約形態ではありますが、2way契約に限らずNBAでは解雇されることはよくあることです。
先ほど紹介したCJ・ウィリアムスは本契約締結後に解雇されてしまいましたし、17-18シーズンで言えばロサンゼルス・レイカーズに所属していたセンターのアンドリュー・ボーガットも解雇されてしまいました。
競争の激しいNBAでは契約を結んだとしても安泰ということはまずありません。
コンスタントに活躍を続け、チームに貢献し続けなければいけないのです。
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まとめ
2way契約に焦点を絞って今回は紹介をしてきました。
2way契約を結んでいるプレイヤーは、トップチームデビューは秒読みといっても過言ではありません。17-18シーズンの81人中の2way契約プレイヤーのうち75人がトップチームで出場したという実績からもわかるように、かなりの確率で試合に出場することは可能です。
しかしながら、継続して試合に出場したりチームへの貢献が認められなければ、本契約を勝ち取ることはできないですし、2way契約期間中であっても打ち切られてしまうことがあります。
日々闘いが続くNBAにおいて、2way契約プレイヤーはさらに激しい生き残りの争いをしているといっても過言ではありません。
日本の期待の星でもある渡邊雄太選手をはじめ、是非今後は2way契約プレイヤーにも注目してみてください。