上手い人は何がすごいの?特別な練習をしているの?
バスケに限らず、スポーツをしている人であれば誰でも「上手くなりたい」と思うでしょう。上手くなって大きな大会に出たい、活躍しているところを見せたい、という想いが少なからずあるのではないでしょうか?
そのためにも、やはり上達をする必要がありますよね。
では、全国大会に出たり県選抜に選ばれるプレイヤーは、どのようにして実力を磨き上げ「上手い」プレイヤーへと変貌を遂げていったのでしょうか?
初めに書いておきますが、この記事では「練習方法」には一切触れていません。
練習方法には一切触れず、それでも上手くなるにはどうすればいいのか、僕自身の体験談を踏まえながら書いていきます。
バスケが上手い人は頑張るところが違う
どういうことかを説明しましょう。
シュートが入らない時、あなたならどうしますか?
まず、以下の状況に自分自身が陥った時、あなたはどのように考えるでしょうか?
- ジャンプシュートが入らないから、他のプレイに集中しよう。
- 入るまで打ち続けよう。
ジャンプシュートが全く入らないその試合で、あなただったら1と2のどちらを選択するでしょうか。
僕が思うに、上手い人の考え方は前者の「ジャンプシュートが入らないから、他のプレイに集中しよう。」ということです。もちろん後者の「入るまで打ち続けよう。」という考え方も必要な場合はあります。
特にエースの場合には後者の考え方の方が重要でしょう。
しかしながら、試合において「勝つ」ことを最も大事な目標として掲げているのであれば、ジャンプシュートが入らないその試合では他のプレイに集中する方がいいでしょう。
他のプレイなら上手くいくかも
もしジャンプシュートが入らないとなったら、上手い人は「ドライブインをしてみよう」「囮になってみよう」と考えることができるのに対し、上手くない人は「もっと打てば入るだろう」という考え方になります。
先ほど上手い人は「頑張るところが違う」と紹介をしましたが、上手くない人はジャンプシュートが入るまで打つことを頑張ってしまうのに対し、上手い人はジャンプシュートを選択するのではなく味方を活かしたり、ドライブインすることを頑張るようになります。
要は、自分のことを客観的に観て「今日はダメな日だ」ということが判断できるため、違った形でチームに貢献するための方法を考えるのです。
もちろんシュートに自信を持つことは非常に大切なことです。しかし、「過信」は禁物です。
特に試合では、自分の力を過信していると「シュートが入っていないのに乱発する」という無茶な行動に走り、チームも道連れにしてしまう可能性があります。
経験しているからこそ、頑張るところは間違えて欲しくない
僕は小学生の時にこの経験をしたことがあります。
まだ小学4年生の頃でした。とある地区大会の準々決勝、僕たちの方が少しレベルは上だったので普段通りのプレイをすれば勝てる試合でした。
しかしその試合で僕は何を思ったか、点を取ることばかりを考えてシュートを乱発したのです。
ボールをもらってディフェンスが少し離れていればシュート。当時は2Qだけの出場でしたが、打ったシュートは全て外しました。
チーム内にはもちろん僕よりもシュート力がある人がいたにも関わらず、シュートを乱発したことでその試合に破れてしまいました。
その試合のことは今でも覚えています。
結果的に地区大会を勝ち残り、最終的には東海大会まで勝ち進めたのですが、苦い記憶として今も頭の中に残っています。
この経験をしている僕だからこそ伝えたいんです。頑張るところは間違ってはいけない、と。
バスケに限らず上手い人はとにかく実践!
実践は「練習をする」ということです。上手い人はただ知識を蓄えておくだけではなく、とりあえず動いてみて自分で確かめるということを行います。
下手な人ほど頭でっかち
下手な人の特徴として、新しく知ったテクニックやシュートの打ち方などを「やったことがないから、できない」や「できるわけがない」と決めつけてしまいがちです。
そして挙げ句の果てには、「自分に合った」画期的なスキルや練習方法を探し始めるのです。無駄な知識だけが溜まっていき、頭でっかちになっていきます。
実際に練習をしてみたわけでもないのに「自分に合う」かどうかなんてのはわかりません。それなのにいつまでも「もっとすごい練習法・テクニックがあるはずだ」と思っているんです。
やったことがないシュートやステップが、「自分に合っているか」なんてことはわかりません。そもそも、バスケをプレイし始めた時はシュートもパスもドリブルも、ろくにできなかったはずなんです。でも、反復練習を積み重ねていくうちに、だんだんと形になっていきます。
それを忘れてはいけません。
どんなプレイであっても、初めはやったことがなくて当たり前なんです。そこから反復練習を積み重ねることで、自分自身の身に付いていくんです。
そもそも、たった数日でプロ並みに上手くなるような練習はありません。画期的な練習はありません。だからこそ、地道な反復練習をするしかないんです。
失敗の数が多い人ほど上にいく
これはバスケだけに限らず、仕事に関してもそうなのですが、上手い人・仕事でも成果を出している人というのは、とにかく失敗の数がめちゃくちゃ多いんです。
シュートを失敗した回数、ドリブルが手につかなかった回数、パスミスをした回数、これらの失敗の数が下手な人に比べて尋常じゃなく多いんです。失敗から学ぶことで次に活かし徐々にステップアップをしているのです。
初めから「上手くいく」「仕事でも成果が出る」人はいません。
それなのに、下手な人ほど「1回で成功する方法」を探し続けています。そんなものは存在しないのに。
実践をして失敗をするからこそ、人は成長していきます。
実践しなければ自分にできるかどうかもわからない
そもそも、なぜ1度もチャレンジしたことがないのに「自分にはできる」「これは自分に合っている」というのがわかるのでしょうか?
なぜ、自分にできるものを探し続けているのでしょうか?
結局のところ、やってみなければ自分に合っているかどうかも判断できません。自分ができるかどうかもわかりません。
下手な人ほど「僕にはできないから」と言い訳を並べがちですが、まずはプレイに移してみることが、言い訳よりも先にやらなければならないことです。
「やってみたけど、今の僕にはできなかった」それはそれで仕方がありません。悔しいのであれば、そこから練習をしてできるようにすればいいんです。
自覚と向上心が上手くなる鍵
それは、僕自身が体験したからです。自身を持って、気持ち次第で上手くなると言えます。
自覚があれば向上心も勝手についてくる
僕は中学2年の夏に初めて自覚が芽生えました。
中学2年生の夏の大会までは先輩たちと共に試合に出場し、プレイタイムも25分以上を越えており、同学年の中でも圧倒的な経験を持っていました。
試合自体を闘うことは楽しかったのですが、夏の県大会を勝ち進むにつれて「先輩が引退したらどうしよう」と言う不安が付きまとっていたんです。
そして先輩との最後の試合が終わった時から「どうしようどうしよう」とウジウジしていました。自分自身が最上級生になってからの1ヶ月ほどは「このチームじゃ勝てないよ」と思うようになっていました。
自分にはどうしようもできない、勝ちたいけど勝てるチームにできない、と勝手に思っていたんです。
そんな時に僕のところに舞い込んできたのは「静岡県トレセン」の話でした。
地域によって違うとは思いますが、静岡県では中学1年生の頃から各地区でプレイヤーの選考会が行われます。勝ち残ると県全体のトレセンとなり、およそ60人近い県トレセン参加者の中から、12人の県選抜メンバーが決定します。
中学1年生の頃から続いていたトレセンを無事に通過し続け、県トレセンまできたのです。
まずその時点で今までの「勝てるチームにできない」と思っていた気持ちが、「ここまできたんだから、自分の力を信じて頑張ろう。勝てるチームにしたい。」と前向きに考えられるようになったんです。
そこからは、勝てるチームを作るために自分自身が先頭を切って練習に取り組みました。
県トレセンに選ばれたことで自覚が芽生え、その自覚が「勝てるチームを作る」という向上心へと自然につながりました。
自覚と向上心が好循環を生む
自分たちが最上級生になってから初めての大会の時点で、僕はエースでした。リバウンド、ブロックショット、ディフェンス、エースのマーク、ボール運び、シュート、全てを自分自身がチームの誰よりもこなしていました。
しかしながら、チームは県大会に進む力さえ持っていませんでした。
11月になると、県トレセンの延長線上である県選抜の選考を兼ねた東海4県によるリーグ戦が行われました。
各県から3チームが出場。3チーム総当たりのブロック戦で2勝すると決勝トーナメントへ。
県トレセンを勝ち上がれば目指していた県選抜になれることは知っていましたが、僕自身は県選抜は無理だろうと割り切ってプレイしました。
割り切ったことが功を奏したのか、重要な試合で延長戦へもつれ込む同点3Pを決めたり、チームのエースとの好連携を随所に見せることができたのです。
惜しくもチーム決勝トーナメント進出は逃してしまいましたが、静岡県選抜の12人に入り込むことができたのです。
地区選抜と県選抜では大きな違いがあり、僕はかなり喜んだことを今でも覚えています。
自覚と向上心が、県選抜へと導いてくれたのです。
最後の大会では県大会へ出場
中学3年生になってからの最後の大会。とにかく県大会へ勝ち進むことを目標にしていました。
地区大会でベスト4以上に入らなければいけないのですが、今までの地区大会では5位がやっと。僕たちにとっては準々決勝が1つの鬼門でした。
準々決勝は緊張からか全くシュートが入らなかったのですが、リバウンドからボール運びまで全てをいつも以上にこなし、自分自身は20点という記録でしたが、チームメイトの活躍にも支えられ見事にベスト4へと滑り込んだのです。
自分たちが最上級生になってからは、格上と対戦しても勝てず、格下とも競ってしまうなど勝てるチームとは言えませんでした。しかし、そんなチームが県大会へと進んだのです。
僕は、中学3年生になってから最後の大会が始まるまでの3ヶ月で、爆発的に上手くなりました。
この期間も「自覚」「向上心」「県大会に行く」という気持ちの部分が、僕を駆り立ててくれたんです。
結局は気持ち次第
僕が県選抜に進めたのは、「自分がやらなければいけない」という自覚を覚え、「チームを勝たせるために頑張る」という向上心が常に僕自身を掻き立ててくれたからだと思っています。
自覚と向上心があったからこそ、チーム練習以外の場所で自主練をしてバスケの勉強をして、着実にステップアップしていきました。
特別な練習などは必要ありません。結局は気持ち次第なんです。
まとめ:上手い人の「考え方」を真似をしよう!
おそらくこの記事を最後まで読んでくれた人というのは、「上手くなりたい」と思っているでしょう。でなければ、僕の体験談を踏まえて書いてきたこの長文を、最後まで読み進めていないと思います。
その人に最後に伝えたいことは「上手い人の”考え方“を真似してほしい」ということです。
プレイはすぐに真似できなくても、考え方であればすぐに真似ができます。
僕は自分自身の体験談から、バスケは気持ち次第でどんどん上手くなると確信しています。練習どうこうではありません。まずはメンタルです。