さて今回は、日本からアメリカの高校へバスケ留学するプレイヤーの選択肢にも上がる「モントロスクリスチャン高校」について、まとめていきます。
アメリカ国内でも名門の同校は、どんな高校なのでしょうか?そしてどんなプレイヤーを今までに輩出してきたのでしょうか?
目次
モントロスクリスチャン高校とは?
モントロスクリスチャン高校というのは、アメリカにあるキリスト教系の高校のことを言います。
モントロスクリスチャン高校に関しては「プレップスクール」の1つだと思われていますが、プレップスクールではなく一般的な高校です。
メリーランド州に位置する学校で、コアなバスケファンであれば多くの人が知っている学校でしょう。
プレップスクールとの違いは?
そもそもプレップスクールというのは、直訳すると「予備校」と言われています。しかし、日本のよくある予備校とは少し違います。
日本の予備校は通常通っている学校とは別で、試験のためであったり成績アップのために通う学校です。
一方プレップスクールは、高校や大学に進学するための準備教育を行う学校です。一部の私立中学校や私立高校がプレップスクールとなっており、学期中に高校や大学へ編入することはよくあります。
モントロスクリスチャン高校は、プレップスクールではない一般的な高校なのです。
渡邊雄太はプレップスクールを経由している
メンフィス・グリズリーズと2Way契約を締結している渡邊雄太選手は、プレップスクールを経由してからジョージワシントン大学へと進学しています。
渡邊雄太選手というと、どうしてもジョージワシントン大学ばかりフォーカスされていますが、尽誠学園高校を卒業し渡米してからは、セントトーマスモア・スクールに入学し、1年間経験を積んでいました。
プレップスクールの全国大会では決勝に進み、大会のベスト5に選出されるなど実力を証明した渡邊雄太選手の元には、NCAAディビジョン1(デューク大学やゴンザガ大学が所属するディビジョン)のチームからオファーが届いたのですが、その中からジョージワシントン大学を選びました。
渡邊雄太選手はルーキーとして現在はNBAやGリーグで活躍していますが、年齢は24歳と、現役で大学に入学し卒業する場合よりも1年遅い(アメリカでは22~23歳で大学卒業)のですが、それは1年間プレップスクールに通っていたことが要因です。
いきなり高校・大学に通うのは非常に難しい
渡米していきなり高校や大学に通い始めるのは、非常に難しい一面があります。どう言うことかと言うと、日本の場合は極端に言うと勉強ができなくてもバスケさえできれば大会に出ることもできます。
しかしアメリカの場合には、学業も優秀な成績を収めていなければ大会に出場することもできないため、十分な学力も身につけておくことが必要なのです。
しかも、もちろん英語での勉強になるわけですから、語学力もつけなければなりません。英語や学力に自身がなければプレップスクールに通って準備をする、と言うのは一般的でしょう。
富樫勇樹選手は中学校を卒業後、モントロスクリスチャン高校に入学をしましたが、おそらく富樫選手は学業でも優秀だったのでしょう。
モントロスクリスチャン高校はバスケ留学でよく使われる
富樫選手が渡米してから通い始めたモントロスクリスチャン高校は、日本人がバスケ留学として渡米する際に名前をよく聞く学校です。
モントロスクリスチャン高校は、全米でも強豪校として名前が知られており、日本人でも現在NBAで活躍しているプレイヤーでも通うことがある名門なのです。
また、モントロスクリスチャン高校があるモンゴメリー群ノース・ベセスダ地域と言うのは、非常に日本と気候が似ており、四季がはっきりとしている点などからも日本人にとって過ごしやすい環境のようです。
モントロスクリスチャン高校出身のBリーグプレイヤー
モントロスクリスチャン高校出身のBリーグプレイヤーを調べてみました。
富樫勇樹選手(25)千葉ジェッツ
伊藤大司選手(32)滋賀レイクスターズ
ちなみにですが僕は高校時代、伊藤拓摩さんにわざわざ静岡まで来ていただき、練習を教えてもらったことがあります。非常に有意義な時間でした。
松井啓十郎選手(33)シーホース三河
モントロスクリスチャン高校出身のNBAプレイヤー
モントロスクリスチャン高校の卒業生には、NBAプレイヤーが何人もいます。
ケビン・デュラント(30)ブルックリン・ネッツ
パトリック・マコー(23)トロント・ラプターズ
ジャスティン・アンダーソン(25)アトランタ・ホークス
テレンス・ロス(27)オーランド・マジック
リーナス・クレイザ(33)デンバー・ナゲッツやトロント・ラプターズに所属していました。
グレイビス・バスケス(31)ベネズエラのチームに所属。メンフィス・グリズリーズや、ニューオーリンズ・ホーネッツに所属していました。
ケビン・デュラントが卒業生にいることはかなり有名ですが、マコーやロスなどもモントロス・クリスチャン高校の出身なんですね。
伊藤大司とデュラントは一緒にプレイした
伊藤大司選手は、ケビン・デュラントとグレイビス・バスケスと共にモントロスクリスチャン高校でプレイをしていました。
伊藤大司選手の後ろにいるのがデュラントで、右手にいるのがバスケスですね。
また、富樫勇樹選手はジャスティン・アンダーソンやテレンス・ロスとも一緒にプレイしています。
(出典:https://scoringlive.com/story.php?storyid=9167#gallery)
画像の右前方で手を組んでいるのがテレンス・ロス、#23がジャスティン・アンダーソンですね。
モントロスクリスチャン高校以外でも、日本人プレイヤーには高校や大学でチームメイトだったNBAプレイヤーが多くいますし、NBAプレイヤーの活躍は多少なりとも刺激になっているでしょう。
モントロスクリスチャン高校のバスケのレベル
モントロスクリスチャン高校のバスケのレベルはと言うと、全米の中ではかなり高いようです。富樫勇樹選手が在籍していた2010年には、全米ランキング2位にランクインしています。
高校の場合、大学に比べると将来有望なプレイヤーも全国各地に散らばっているため、毎年継続して全米ランキング上位にいられるとは限りません。しかしながら多少の上下があるとは言え、モントロスクリスチャン高校は高いレベルを維持しているようです。
大学に上がるにつれ、有望なプレイヤーはNCAAディビジョン1部のチームに集められるなど、大学から大きく戦力差も別れることになります。
高校では、3年でチームメンバーは一新されますし、常に全米ランキング2位をキープできる訳ではないでしょう。
モントロスクリスチャン高校に入るには
モントロスクリスチャン高校に入るためには何をすればいいのでしょうか?
モントロスクリスチャン高校だけではなく、アメリカの高校に入るためにしておくべき準備等を紹介します。
情報収集
まずはどの高校においても、とにかく情報収集することをおすすめします。アメリカの高校は日本とはわけが違いますからね。
高校だけではなく、現地での生活が日本とは全く違います。文化が違えば話す言葉も違いますし、食べ物もルールも違います。現地で生活をしている人や、現地でバスケに精通している日本人の方に話を聞くなど、情報収集をできる限り行いましょう。
英語の勉強
まずアメリカで生活をするにあたり、最も大きな壁になるのは「語学力」=「英語」です。アメリカでは第一言語が英語ですから、日本で生活している時に日本語を常に使うのと同じで、アメリカは英語を常に使います。
ですから、日常会話を何不自由なく行えるだけの語学力を身につけることが重要です。
生活をするだけではなく、バスケをプレイする時にも英語は非常に大事です。話せるレベルになっていなければ、コーチの指示も理解できず試合に出場することすら難しくなるかもしれません。
とにかく英語を話せるようになるまで、猛勉強した方がいいでしょう。
資金をかき集める
現地で生活をするにあたり、学費や生活費、食費は当然かかってきます。留学したくてもできない人の中には「お金がない」ことが理由になっている人もいますから、経済面での余裕は必要です。
アメリカで高校生として生活する場合には、アルバイトもできないでしょうから日本にいる両親から生活を仕送りしてもらうことになると思います。
「子供がやりたいことをさせてあげたい」とお父さんお母さんが思うのは当然のことですが、お父さんお母さんも生活がありますから、生活が苦しくなるのであれば、アメリカ渡航を承諾してくれないこともあるでしょう。
日本国内の高校に通うのとアメリカの高校に通うのとでは、大きくわけが違います。その点を必ず頭に入れておいてください。
まとめ
アメリカの名門高校、モントロスクリスチャン高校についての紹介をしてきました。
今までに富樫選手や松井啓十郎選手など、日本人プレイヤーも在籍したことのあるモントロスクリスチャン高校は、日本からアメリカの高校にバスケ留学する場合に話題に上る学校の1つです。
もしアメリカの高校へ留学することを考えている場合には、準備すべきことなどを参考にしてみてください。