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移籍が多いからこそNBAもNFLもMLBもNHLも大人気なスポーツ

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なぜ移籍の多い少ないに触れるのか

今回、移籍の多い少ないに触れようと思ったのは、Twitterで「トレードもFAもアメリカ4大スポーツではつきものだからそれが嫌なら移籍が全くないスポーツを見た方がいい」と言うツイートを見て、非常に共感をして僕自身にも移籍に関しての考えがあり、ぜひ知ってもらいたいなと思ったからです。ちなみにですが、移籍が多いと言うことに関しては僕は大賛成です。

次の章から、移籍が多い場合少ない場合のメリット・デメリットについて触れていきます。

移籍が多いことのメリット

①リーグ全体のレベルを下げない

まず1つ目は、リーグ全体のレベルを下げない、と言うことにあります。移籍の多いスポーツと言えばNBAの他にNFLやMLB、NHLのアメリカの四大スポーツの他にはヨーロッパサッカーもそうです。移籍が多くプレイヤーの移り変わりが激しいとそれがリーグのレベルを下げないもしくはレベルアップに繋がります。

チームの観点から見てみましょう。トレードでプレイヤーを出すとなれば双方のチームでお互いに「メリット」がなければ行いません。各チームにはチームの色や文化、プレイスタイルがあり全てのチームが違いますから当然合う合わないはプレイヤーにもあります。合わないプレイヤーがいれば合いそうなプレイヤーとトレードする。それがトレード相手にとっても同じようにメリットがあれば、合意に至るわけです。そこで、プレイヤーは花開いて未知なる化学反応(ケミストリー)が生まれるわけですね。

2017年のオフ、ブルズとウルブズのトレード、ペイサーズとサンダーのトレード、この2つのトレードはブルズとペイサーズにとっては見返りが全くないとみられていました。しかしシーズン始まって蓋を開けてみたらオラディポはペイサーズのエースとして君臨し、平均得点も10点近く向上させています。サボニスも控えから万能型PFとしてチームを支えています。ブルズは出だしこそつまづいたものの、クリス・ダンは31試合に先発し、平均得点は10点、平均アシストは4つも増やしています。ラビーンは復帰したばかりなので今後の活躍が楽しみです。この2つのトレードによってブルズとペイサーズは若返りに成功。結果的にはトレードをした双方に見返りがあったわけです。ペイサーズは勝率5割りを超え、ブルズはシーズン途中に7連勝を記録しました。

また、シーズン中にもFAのプレイヤーを契約をして穴埋めをするなど、各チームがチームのために補強をすることで結果としてリーグのレベルが落ちないのです。

事実、16-17シーズンと17-18シーズンのリーグ全体の1試合平均FG%や平均得点を見てみると、FG%は45.7%と45.9%、平均得点はどちらのシーズンも105.6点です。大きな移籍があった17年オフ、順位の変動は前のシーズンとはあるものの、リーグ全体のレベルが落ちていないことを物語っています。

②競争を常に生むことができる

2つ目は競争を常に生むことができると言う点です。移籍が多いと言うことは、どのプレイヤーがいつ首を切られてもおかしくありません。最近の話をすれば、14-15シーズンウォリアーズの優勝に貢献したボーガットは、キャバリアーズに移籍した最初の試合で怪我をしてしまいすぐさま解雇。今シーズンはレイカーズに加入しましたが、1月に解雇。そのため、プレイヤーは必死になって練習してプレイをしますよね。チームの戦術にフィットして長いプレイタイムをもらいチームに貢献することでそのチームに必要なプレイヤーになります。そうして長期契約を勝ち取ったり、フランチャイズプレイヤーと呼ばれるまでファンに愛されます。

同じチームにいるプレイヤーはチームメイトですが、言葉を変えると同じポジションの椅子を争うライバルです。そのライバルに勝るためには競争をしなければなりません。ポジションが確約されることはありません。中には例外的なプレイヤーもいますが、ほとんどのプレイヤーが毎試合毎日競争をしているのです。だからこそチーム内に活気が生まれるわけですね。

③リーグ全体に活気が出る

リーグ全体に活気が出るのが3つ目の理由です。これは主にファンの影響に寄るところが大きいかもしれません。例えば、16年オフにサンダーからウォリアーズにデュラントが移籍した時には、TwitterなどのSNSは大騒ぎでしたよね。早く開幕してほしい、アルティメット4を早くみたいと言う声も多かったです。スタープレイヤーが移籍をすると、常にこのような話題がついて回りますよね。特に17年のオフではカーメロ、PG13、IT、アービング、バトラー、CP3、ウェイド、ローズなど大物が動き、いつも以上に活気のあるオフだったように感じます。

また、ファンだけでなくプレイヤーたちのモチベーションも向上すると考えられますね。「古巣には負けられない」「あのビッグネーム揃いのチームを倒そう」「俺の価値を証明しよう」こんな考えを持つプレイヤーも多くいるのではないでしょうか。

移籍が多いことのデメリット

①フランチャイズプレイヤーがいなくなる

デメリットの1つ目は、フランチャイズプレイヤーがいなくなることです。フランチャイズプレイヤーの定義は非常に曖昧で長年同一チームで活躍をしたり、どんな時にもチームを支え続けるプレイヤーだったりをファンが勝手にフランチャイズプレイヤーと言ったりしますが、その地域・チームの顔になるわけですよね、フランチャイズプレイヤーが。代表的なプレイヤーで言えば、コービー、ダンカン、ノヴィツキー、ピアースなどなどでしょうか。レブロンもキャバリアーズのフランチャイズプレイヤーと言ってもいいと思っています。彼らはほとんど移籍をしていません。コービー、ダンカン、ノヴィツキーは同一チーム一筋。ピアースは4チームに所属しましたがキャリアの大半を過ごしたセルティックス、レブロンもキャバリアーズには通算で11シーズン在籍しチャンピオンももたらしています。

デュラントはサンダーでずっと優勝を目指して戦っていれば言われたかもしれませんが、フランチャイズプレイヤーと呼ばれることはないでしょう。地元からもファンからも引退をしてからも愛され続けるプレイヤーが減ってしまうのはデメリットでしょう。

②育成に力を入れる必要がなくなる

2つ目は育成に力を入れる必要がなくなることにあります。もちろんこれは100%育成に力を注ぐ必要がないかと問われたらもちろんやる方がいいに決まっていますが、単純な話、補いたいところには適切なプレイヤーを獲得すればいいので極論育成をしなくてもよくなります。そうなると若手が育たなくなり、チームのレベルアップは望めません。大物を獲得せずともチームのレベルが高いレベルにあるスパーズは強力な育成システムが整っているはずです。数年後のことを見越して若手と中堅、ベテランを上手く融合させているチームが多いので、これは極論です。

③資金力のあるチーム・ブランド力のあるチームに競争優位性がある

3つ目は資金力のあるチーム・ブランド力のあるチームに競争優位性がある、と言うことです。細かいところの話をするとある一定の金額を越えるとラグジュアリータックス(贅沢税)と言うものをリーグに払わなければならないのですが、ややこしくなるのでその話は一旦なしで考えます。資金力のあるチームと言えばレイカーズやマーベリックス、ウォリアーズなんかはそうですね。この資金力と言う部分にはGMやチームグッズの売れ行きなども関係してきますが。資金力があるとプレイヤーにはより多くの金額でオファーを提示することができます。プレイヤーにとってバスケは仕事なのでここでもらうお給料で生活をします。となれば少しでも多くもらいたいのが本音。だとしたら、少しでもお給料の高いチームに移籍したいと思うでしょう。

NBAではなく海外サッカーの話をしますが、ユベントスと言うイタリアの名門で活躍をしていたアルゼンチン代表のカルロス・テベスは、年俸およそ50億円で中国のクラブに移籍しました。そのほかにも、タイトルやプレイタイム関係なく家族を生活させるためにお金が必要だからと言うことで年俸のより多い中国リーグに移籍するプレイヤーは近年増加しています。また、サッカーに詳しくない人でも知っているであろうレアル・マドリードやバルセロナは、毎年巨額の移籍金を注ぎ込んで大物を獲得します。一方で同じスペインリーグの下位クラブや資金力のないクラブはビッグネームを獲得することができないので、毎年同じようなリーグ構図になっています。ヨーロッパサッカーはドラフト制度がないため、各クラブのエージェントが色々な国に行ってスターの原石を見つけ出してきて、そのプレイヤーを引っ張ってきて育成をして、チームを強くする事例もあります。ビッグネームを獲得できない資金力のないクラブは、一気に1年で化けることはほとんど有りえません(レスターシティは例外)。

NBAではドラフト制度があるのでいいのですが、海外サッカーにはそれがないので、上位クラブと下位クラブとでは大きな実力差が生まれてきてしまうのです。

またブランド力のあるチームが優位と言うのは、例えばレイカーズやセルティックス、ニックスなどですね。レイカーズは近年ドアマットチームとして下位に沈んでいますが、何か特別なブランド力があります。だからこそPG13やレブロンが移籍を示唆した発言をしたりします。セルティックスもニックスも然り。

以上のことを踏まえると、資金力もあってブランド力もあるチームは、NBA界の移籍市場ではかなり有利です。

移籍が全くないことのメリット

①長い目で見てプレイヤーを育てられる

1つ目は長い目で見てプレイヤーを育てることができる点です。移籍が全くないと言うことは、もともと自チームにいるプレイヤーで長きの間を戦っていくことになります。と言うことは、チームを強くしたければ育成に力を入れる必要があると言うことです。

例えば日本のプロ野球は移籍がかなり少ないので、ドラフト指名したプレイヤーなど若い時期からチームにいるプレイヤーを育てていきます。見極めるタイミングは非常に重要ですが、プレイヤーも1年目仮にダメだとしても2年目3年目とまだ猶予は残されていくので、準備する時間が多くあります。

育成力のあるチームは上位に食い込んできますね。今年のいい例で言えば、開幕戦で負傷離脱したゴードン・ヘイワード要するセルティックスは、テイタムとブラウンが順調に成長しています。毎年強いスパーズは育成力の賜物と言えます。移籍が少なくなればなるほど、育成をするためのスタッフ陣にかかってきます。

②資金力がないチームでも強くなれる

2つ目は資金力がないチームでも強くなることが可能だと言う点です。上記「長い目で見てプレイヤーを育てられる」と言うことにも関係してきます。先ほど資金力のあるチームが移籍市場では優位性があるとお伝えしましたが、お金のないチームでもプレイヤーを育成し生え抜きのプレイヤーを育てていくことで、次第に強いチームになっていきます。特にヨーロッパサッカーの資金力の劣るクラブは、世界中から将来有望な10代を招き入れ、下部組織で育成をしていきます。

日本プロ野球界の広島東洋カープは、市民球団のため巨人や横浜、ソフトバンク等に比べると資金力でかなり劣ります。それでもリーグ優勝を果たしたりここ数年強い広島になっている背景には、育成力が挙げられます。

移籍が全くないことのデメリット

①チーム内が停滞する

1つ目は、チーム内が停滞することです。どういうことかと言うと、プレイヤー同士の競争は生まれますが、移籍が多い場合に比べるとチーム在籍年数も伸びるので、1年2年では解雇されにくくなります。先ほどメリットで挙げましたが長期的な目で見て判断していくので、すぐには手放さなくなります。それにより競争が緩くなりチーム全体の成長も鈍化していきます。またフレッシュさもなくなるので勢いがなくなったり、新しい化学反応(ケミストリー)が起こることは考えにくくなります。

②リーグ全体の盛り上がりに欠ける

2つ目はリーグ全体が盛り上がりに欠けてしまうと言うことです。考えてみてください。ここ2、3年のNBAの移籍市場を振り返ってみましょう。

デュラントがウォリアーズに移籍して、カズンズがペリカンズに移籍して、アービングとITがトレードされて、ハワードがホークス→ホーネッツと移籍をして、ウェイド・ローズ・クラウダーがキャバリアーズに移籍して、CP3とハーデンがタッグを組んで、ウエストブルック・PG13・カーメロの新BIG3ができて、バトラー・ウィギンズ・KATのヤングBIG3ができて。。。

彼らが全く移籍をせずにドラフトされた当初のチームにずっと在籍していたらどうなったでしょうか?

ウォリアーズはファイナルに進んで優勝できたでしょうか?スーパースター同士のツインタワーを見ることができたでしょうか?キャバリアーズとセルティックスの開幕戦があんなにも注目されることはあったでしょうか?強力バックコート陣を形成し、超オフェンシブなロケッツを見ることはできたでしょうか?ウルブズがカンファレンス4位にいることが想像できたでしょうか?

以上全てのことは、「移籍」があったからこそ起こったものです。もっと前に遡れば、セルティックスのピアース、ガーネット、レイ・アレンのBIG3を見ることができなければ、コービー、ガソル、ハワード、ナッシュの4人を見ることができなければ、レブロン、ウェイド、ボッシュのBIG3を見ることができませんでした。そう考えて見ると、全ては移籍があるからこそ成り立っているのです。これがなかったらどうでしょう?今ほど「このプレイヤーはトレードしたほうがいい」とか「来年あのプレイヤーがFAになるから獲得するためのサラリーキャップを空けるためにこいつは放出することを考えよう」などという考えが出てきていたとは思えません。この議論でTwitterなどのSNSが盛り上がることもありません。となれば、今ほどの人気がNBAにはなかったかもしれないですよね。

まとめ

ここまでかなりの文量書いてきました。僕は以上のような考えを持っています。そして、リーグが毎年面白くて観ていてハラハラドキドキするのは、移籍がたくさんあるからこそだと僕は信じています。だからこそ今後も移籍はたくさんあったほうが面白いはずです。そして、彼らはこの移籍によって契約を勝ち取ることが生きるために必要なことなのです。そう考えてみると、プレイヤーの日頃の行いからプレイから全ての見方が変わってくるはずです。ただ「プレイ」だけでみるのではなく、そのバックグラウンドまで考慮に入れることができれば、彼らのことが今以上にわかるようになるし、好感を持てるようになるのでは?と感じました。

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