さて今回は、NBAのサラリーキャップ・ラグジュアリータックスについてどこよりもわかりやすく簡単に紹介していきます。
サラリーキャップについては、ウィキペディアでも紹介されていますが、難しいことがあってなかなか理解しにくいですよね。
そこで今回は、難しいことは取っ払い、誰でもわかるように簡単にサラリーキャップ・ラグジュアリータックスについて紹介します。
目次
NBAの制度「サラリーキャップ」とは
NBAの年俸制度として採用されている「サラリーキャップ」は日本語にすると「年俸限度」と言えます。
サラリーキャップはリーグがオフシーズンに決定し、各チームはサラリーキャップに基づいて次のシーズンの各プレイヤーの年俸を決定したりチーム全体の年俸を決定します。
要は、サラリーキャップというのは1チームあたりのプレイヤーに払える年俸の予算(上限年俸金額)だと思っておいてください。
なお、サラリーキャップは毎年変更されていきます。例えば18-19シーズンのサラリーキャップは、17-18シーズンのNBAリーグ全体の収益から算定されていきます。
18-19シーズンのNBAのサラリーキャップ
18-19シーズンのNBAのサラリーキャップは、1億186万9000ドルという発表がありました。
17-18シーズンのサラリーキャップは9909万3000ドルだったため、18-19シーズンは約277万ドル増えたことがわかります。
またサラリーキャップ自体は各チームの上限年俸金額なのですが、最低年俸合計金額も決まっており、18-19シーズンは9168万2000ドルとなっているため、各チームは9168万2000ドル以上1億186万9000ドル以内に年俸を抑えなければいけないということです。
なぜサラリーキャップ制度がNBAでは導入されているのか
サラリーキャップ制度がNBAにおいて導入されている1番の理由は市場が大きく財政が潤沢なチームのFA市場における1人勝ちを防ぐことです。
サラリーキャップ制度が導入されていないMLB(通称メジャーリーグ)や、ヨーロッパのサッカーリーグなどは、毎年戦力が偏り上位のチーム・下位のチームには大きな変動がありません。
NBAではこのように戦力が偏ってしまい、リーグの勢力図が毎年同じになってしまうことを防ぎ、ファンを楽しませることも目的とし、サラリーキャップ制度を設けているのです。
NBAの移籍事情に関しては、以下の記事でかなり詳しく紹介しているのでご覧ください。
サラリーキャップ制度はNBAの各チームのためでもある
先ほど、「18-19シーズンのサラリーキャップは、17-18シーズンのNBAリーグ全体の収益から算定されていきます。」と記したのですが、要はサラリーキャップは前のシーズンのリーグ全体の収益が関係してくるわけです。
リーグ全体の収益というのは、各チームの収益などが関係するのですが、サラリーキャップを設けることによって、チームがプレイヤーにお金をかけすぎて破綻してしまうなどのリスクを回避する目的もあるでしょう。
各チームのスタッフもビジネスのプロなので、流石にお金を使いすぎて破綻してしまうというのは起こらないかもしれません。しかし、万が一のことも考えると、リスクを回避するための策を講じておくのは大切ですよね。
サラリーキャップと深い関係のあるラグジュアリータックスとは?
ラグジュアリータックスは日本語では「贅沢税」と訳されます。
支払う金額の決まりなどが非常にややこしいので省きますが、ラグジュアリータックスはある決められた一定額を超過した場合にリーグ側に支払う税金のことです。
ラグジュアリータックスも、サラリーキャップと同様に毎年上限が決められており、18-19シーズンのラグジュアリータックスラインは1億2373万3000ドルとなっています。
18-19シーズンの場合、チームに所属しているプレイヤーの合計年俸が1億2373万3000ドルを超過すると、超過した金額に応じてラグジュアリータックスを支払わなければいけないのです。
18-19シーズンのサラリーキャップは1億186万9000ドルで、ラグジュアリータックスは1億2373万3000ドルなので、多少サラリーキャップを超過しても問題はないということになります。
サラリーキャップや、ラグジュアリータックスがどのくらいのラインになるのか、知りたい人は「REAL GM」というサイトをご覧になることをおすすめします。
NBAプレイヤーの高額契約が増えているワケ
以下の記事では18-19シーズンの年俸ランキングを紹介していますが、このことからもわかるように近年は次々と高額契約が増えています。
なぜ高額契約がこれほどまでに増えているのか、サラリーキャップを超過することはないのか、などについて紹介していきます。
まずはこちらのツイートをご覧ください。僕が2017年のオフシーズン中にツイートした内容です。
ウエストブルックが契約延長をしたわけで、ESPNが出してる現役の高給取りTOP5から、ちょっと考えていこうと思う。
昨シーズンのオフからコンリーだったりモズコフだったり大型契約が一気に増えて、今夏はハーデン、カリーが次々に契約金の記録を塗り替えてしまった。 https://t.co/NGz2ecWwvK
— 修一@バスケブロガー (@bskbsketter) 2017年9月30日
一連のツイートで、年俸が上昇している理由を推測してみているので、ぜひご覧ください。
各チームの資金が潤沢になっている
1つ目に考えられることは、先ほど紹介した一連のツイートの中でも書いているように、各チームの資金が潤沢になっていることが挙げられます。
NBAはNBAオールスターともなると200以上の国と地域で放送され、グッズも売れますし「NBA League Pass」のような定額の動画配信サービスも売れますし、放映権も高額で売れていきます。
そのためリーグ・チームの収支はどんどんと増えていき、年俸に当てられる資金も増えています。
毎年のサラリーキャップが増えていく
これだけの高額契約があると「サラリーキャップを超過しないの?」と思う人もいるかもしれませんが、冒頭でも紹介したようにシーズンごとにサラリーキャップは変更されています。
そのため、年々サラリーキャップの上限も増えているので、高額契約をしたところでサラリーキャップを超過することはないんです。
例えば18-19シーズンのサラリーキャップやラグジュアリータックスを設定する場合には、17-18シーズンのリーグ収支から決定されることになるため、NBAが今でも拡大を続けていることを考えるとサラリーキャップとラグジュアリータックスが高く設定されていくことは容易に考えられます。
そのため、高額契約をするだけの資金があるのであれば、高額契約をしても問題はありません。サラリーキャップを超過しないからです。
超簡単に説明すると、サラリーキャップは予算!
少し難しい点もあったかもしれないのでさらに詳しく紹介しておくと、サラリーキャップは会社で言う1部署あたりの予算です。
あらかじめ会社が各部署の予算を決めており、その予算内でやりくりしてね、と言われているのです。予算を超過してしまった時には、ペナルティとしてラグジュアリータックスを支払うことが義務付けられています。
NBAと言う組織が1つの会社であるとすれば、会社全体として方向性を整え、どこの部署(各チーム)も健全な運営ができるようにと定められたのが、サラリーキャップです。
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まとめ
最後に、サラリーキャップとラグジュアリータックスについて簡単にまとめておきます。
- チームの合計年俸金額の上限を決めた制度。
- シーズンごとに設定される。
- サラリーキャップの範囲内でチームに所属するプレイヤーの合計年俸を設定する。
- ある一定の金額を超過した場合にリーグに支払う税金のこと。
- シーズンごとに設定される。
- サラリーキャップよりも少し金額は多く設定される。(ラグジュアリータックスを支払うことは頻繁にあるわけではない。)
このようになっています。今後NBAの契約に関するニュース等を見るときは、あなたはサラリーキャップもラグジュアリータックスも勉強したのでもう大丈夫!
年俸の観点からNBAを見ると、意外なプレイヤーが高給取りだったり、スタープレイヤーが意外と少ない年俸しか受け取っていないことがわかるので、非常に面白いですよ。