
夏の移籍市場直前になるとよく耳にする「バード権」などの言葉。これらはNBAの「サラリーキャップ例外条項」に当てはまるものなんです。
調べてみるとバード権やMLEという言葉以外にも、例外条項があるとわかったので、この記事ではNBAの契約に関する知識を学びたいという人向けに、簡単に例外条項について紹介していきます。
目次
- 1 NBAの移籍期間になるとよく聞く例外条項はなんのためにあるの?
- 2 サラリーキャップとラグジュアリータックスの関係
- 3 NBAの例外条項その①バード権
- 4 NBAの例外条項その②アーリーバード権
- 5 NBAの例外条項その③ノンバード権
- 6 NBAの例外条項その④ミニマム契約
- 7 NBAの例外条項その⑤故障選手例外条項(DPE)
- 8 NBAの例外条項その⑥ミッドレベルサラリー例外条項(MLE)
- 9 NBAの例外条項その⑦バイアニュアルサラリー例外条項
- 10 NBAの例外条項その⑧ルーキー例外条項
- 11 夏の移籍市場を迎えるにあたって覚えておきたい4つの項目
- 12 NBA・八村塁を観るならNBA Rakutenで決まり!
- 13 まとめ
NBAの移籍期間になるとよく聞く例外条項はなんのためにあるの?
NBAの夏の移籍期間、交渉が解禁となる7月に入るとよく耳にするようになるのが「例外条項」です。
今回紹介する例外条項というのは、サラリーキャップの空きがないチームでも、プレイヤーと契約できるようにするためのものです。
サラリーキャップがいっぱいになった状態でもプレイヤーを獲得できたり、生え抜きのプレイヤーの流出を防ぐことができるのです。
サラリーキャップとラグジュアリータックスの関係
ここでは、改めてサラリーキャップとラグジュアリータックスの関係を復習しておきましょう。
サラリーキャップは各チームの全プレイヤー合計の年俸の上限のことで、ラグジュアリータックスはサラリーキャップが一定額を超過した際にリーグへ支払う、いわゆる罰金のようなものですね。
今回紹介する例外条項は、サラリーキャップがパンパンになっていても、条件を満たしていれば契約をできるというルールです。
ただ、サラリーには計上されるため、ラグジュアリータックスの基準額を超過すると、ラグジュアリータックスを支払う必要があります。
18-19シーズンのウォリアーズの場合

こちらは、18-19シーズンのウォリアーズの主要5人のサラリーをまとめた表です。5人のサラリーを合計すると、約1億2000万$です。
完全にサラリーキャップをオーバーしているのですが、カリーやトンプソン、グリーンらが例外条項に該当することになるため、契約を締結できているわけです。その分、ラグジュアリータックスも巨額となっています。
次の章からは、8つの例外条項を紹介していきますよ。
NBAの例外条項その①バード権
まず1つ目は「バード権」です。例外条項の中でも、特によく聞くものの1つですよね。
バード権は、FAで移籍をせずNBAで3年間プレイした自分たちのチームのFAプレイヤーと、MAX契約を締結することが可能となります。
1~5年間の契約を締結することができるもので、チーム側がバード権を放棄することも可能です。バード権を放棄した状態で残留させるための契約を結ぶことももちろんできます。
レイカーズはアイザイアのバード権を放棄した。 https://t.co/WOpAUJ8M8v
— モコ (@lallal24) July 2, 2018
上記のツイートは、2018年の夏にFAになったアイザイア・トーマスのバード権を、ロサンゼルス・レイカーズが放棄したという内容のツイートです。
アイザイア・トーマスは、2014年から3シーズンボストン・セルティックスで過ごし、2017年の夏にトレードでクリーブランド・キャバリアーズに入団。
そして2018年のトレードデッドラインでロサンゼルス・レイカーズにトレードによって入団しているので、バード権が引き継がれていることがわかります。
NBAの例外条項その②アーリーバード権
2つ目は「アーリーバード権」です。
アーリーバード権は、FAで移籍をせずNBAで2年間プレイした自分たちのチームのFAプレイヤーと、以下2つの条件のうち高額な方の条件で再契約を締結できる例外条項です。
- 前年度の年俸の175%
- 前年度のリーグ平均年俸の104.5%(19-20シーズンは960万$)
再契約を締結する場合には、2~4年の契約期間となっています。
NBAの例外条項その③ノンバード権
3つ目は「ノンバード権」です。
ノンバード権は、バード権やアーリーバード権を持っていないFA=FAで移籍をせずNBAで1年間プレイした自分たちのチームのFAプレイヤーと以下3つの条件のうち高額な方の条件で再契約を締結できる例外条項です。
- 前年度の年俸の120%
- 最低保証年俸の120%
- 制限付きFAの場合は、クオリファイングオファーで決められている額
契約期間は1~4年となっています。
NBAの例外条項その④ミニマム契約
4つ目は「ミニマム契約」です。
日本語に訳すと「最低保証年俸契約」と言われるのですが、ミニマム契約の方が一般的ですので、ミニマム契約として覚えておきましょう。
こちらは、NBAの定める最低年俸にて契約を交わすのであれば、どのFAプレイヤーとも契約できるというルールになっています。
例えば2019年の夏のモラトリアム期間前のレイカーズは、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの2人のオールスターにプラスして、もう1人FAのスーパースターを獲得しようとしています。
- レブロン・ジェームズ:$37,436,858(2018年夏にFAで加入)
- アンソニー・デイビス:$27,093,019(2019年夏にトレードで加入)
2人だけで、$64,529,877ものキャップスペースを必要とし、新たに3200万$を使用してスーパースターの獲得を模索。
すると9600万$のキャップスペースが必要となるため、19-20シーズンのサラリーキャップの上限である1億900万$まで1300万$ほどしかなく、ミニマム契約でベテランや有能なプレイヤーの獲得を目指すことになる。
3人のスーパースターを抱えるとキャップスペースがほとんどなくなるため、ミニマム契約を駆使しながらロスターを埋めていくことになります。
NBAの例外条項その⑤故障選手例外条項(DPE)
5つ目は「故障選手例外条項」です。
こちらは、怪我や病気でシーズンを全休することになったプレイヤーがいる場合に、以下2つの条件のうちどちらか低い方の金額で別のFAプレイヤーと1年契約を締結できる例外条項です。
- シーズンを全休するプレイヤーの年俸の50%
- タックス対象外ミッドレベル(※ミッドレベルに関しては後述します。)
7月1日から1月15日までの期間しか適用されないルールとなっています。
故障選手例外条項のわかりやすい例を紹介すると、2017-18シーズンの開幕戦でシーズン全休の大怪我を負ったゴードン・ヘイワードの所属していたボストン・セルティックスが挙げられます。
- ゴードン・ヘイワードのサラリー:$29,727,900
- 新たに獲得したプレイヤー(グレッグ・モンロー)のサラリー:$5,000,000
NBAの例外条項その⑥ミッドレベルサラリー例外条項(MLE)
6つ目は「ミッドレベルサラリー例外条項」です。
通称「ミッドレベル」と呼ばれており、定められた上限額以内でFAプレイヤーと契約できる例外条項です。「定められた上限額以内」であれば、複数人のプレイヤーを獲得することが可能となります。
チームの前年度の年俸総額によって、以下3つの種類のミッドレベルの内容が異なります。
- タックス対象外ミッドレベル
- タックス対象ミッドレベル
- ルームミッドレベル
3つのミッドレベルに関して、19-20シーズンの金額にて紹介していきます。
タックスの基準額を~400万$超過したチームが対象となる。
初年度の総額は925.8万$で、1~4年の契約を締結できる。
タックスの基準額を400万$以上超過したチームが対象となる。
初年度の総額は571万$で、1~3年の契約を締結できる。
サラリーキャップ以下のチームが対象となる。
初年度の総額は476万$で、1~2年の契約を締結できる。
1つ前の章で紹介した「故障選手例外条項」の中で触れた「タックス対象外ミッドレベル」が、この章の中で紹介した通りとなっています。
ボストン・セルティックスの例
ゴードン・ヘイワードが負傷離脱したボストン・セルティックスの例をさらに詳しく解説していきます。(故障選手例外条項の内容です。)
- ゴードン・ヘイワードのサラリー:$29,727,900
- 新たに獲得したプレイヤー(グレッグ・モンロー)のサラリー:$5,000,000
シーズンを全休したゴードン・ヘイワードのサラリーの50%と、タックス対象外ミッドレベルの金額を算出してみると・・・
- ゴードン・ヘイワードのサラリーの50%:$14,863,950
- タックス対象外ミッドレベル:$8,406,000(参照:REAL GM)
低い方の金額となるので、17-18シーズンのボストン・セルティックスの場合には、$8,406,000以下でFAプレイヤーと契約することが可能となる。
NBAの例外条項その⑦バイアニュアルサラリー例外条項
7つ目は「バイアニュアルサラリー例外条項」です。
バイアニュアルサラリー例外条項は、サラリーキャップを超過しているチームが初年度361.9万$でFAと契約できる例外条項です。(金額は19-20シーズンのもの。参照:REAL GM)
19-20シーズンであれば、361.9万$を複数プレイヤーに分けて契約することが可能となっています。
なお、ラグジュアリータックスの対象チームは使用することができず、2年連続してバイアニュアルサラリー例外条項を使用することはできません。
NBAの例外条項その⑧ルーキー例外条項
8つ目は「ルーキー例外条項」です。
ルーキー例外条項は、その名の通り1年目のルーキーが締結する契約形態です。
1巡目に指名したプレイヤーに限り、サラリーキャップを超過している状態でも、ルーキースケールサラリーで定められた金額の120%まで増額することができます。
NBAドラフトで1巡目指名されたプレイヤーは、確実に契約することができるルールがあるため、サラリーキャップを超過してもいいことになっている。
夏の移籍市場を迎えるにあたって覚えておきたい4つの項目
ここまで8つの例外条項を紹介してきましたが、夏の移籍市場を迎えるにあたって覚えておきたい例外条項は4つあります。
- バード権
- アーリーバード権
- ノンバード権
- ミニマム契約
こちらの4つは覚えておきましょう。こちらの4つの言葉が登場したら「例外条項なんだな」と覚えておく程度で問題ないでしょう。
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まとめ
今回は、NBAの例外条項を8つ紹介してきました。
最後には夏の移籍市場を迎えるにあたって、覚えておきたい4つの例外条項にも触れましたが、残りの「故障選手例外条項」「ミッドレベルサラリー例外条項」「バイアニュアル例外条項」「ルーキー例外条項」も、頭の片隅に置いておいてくださいね。
サラリーキャップやラグジュアリータックス、例外条項を覚えておくと移籍が活発になる夏と冬のトレードデッドライン直前の、プレイヤーの移籍に対する予想を立てるのが、非常に面白くなりますよ。