今回は、時間を止めてフリーでシュートを打つことができる「フリースロー」について書いていきます。フリースローのルールや、審判のジェスチャー、僕のフリースローの打ち方・ルーティーンなどを紹介しています。
フリースローが苦手な人、バスケを始めたばかりの人には是非とも読んでもらいたい内容となっているので、最後まで読んでくださいね。
目次
フリースローってそもそも何?
まずはじめに、そもそもフリースローが何かという話をしていきますね。JBAのルールブックには以下の記載がありました。
フリースローは、フリースローラインの後ろ、かつ半円の中から妨げられることなく1点を得ることができるように、プレーヤーに与えられる機会のことをいう
(出典:JBAルールブック フリースローのルール43-1より)
フリースローが適用されるタイミングというのは、3パターンあります。まずはその3つのパターンを簡単に紹介しますね。
- シュートモーション中にファールをされた時
- チームのファールが規定数を超えている時
- テクニカルファールがコールされた時
シュートモーション中にファールをされた時
シュートモーションに入っているオフェンスに対して、ディフェンスのプレイヤーがファールをした場合に、フリースローが与えられます。
3Pラインよりも後ろでファールをした場合には3本、3Pラインよりも内側でファールをした場合には2本のフリースローが、ファールをもらったプレイヤーに与えられます。
シュートモーション中にファールを受け、放ったシュートが決まった場合にはそのシュートは有効(カウント)となり、ボーナスのフリースローが1本与えられます。
俗に「バスケットカウント」や「バスカン」、「エンドワン」と言いますよ。
チームのファールが規定数を超えている時
例えシュートモーション中のファールでなくても、ディフェンス側の「チームファール」が規定数を超えている場合には、ファールをするとオフェンスのチームにフリースローが2本与えられます。
基本的に「チームファール」は1つのクォーターにつき4回までと決まっていて、5回目以降のファールは全てフリースローが与えられます。
ただし、前述した「バスケットカウント」時のファールがチームファールの5回目以降だった場合には、フリースローは1本しか与えられません。
また、オフェンスチャージングはチームファールにカウントされないので、5回目以降にオフェンスチャージングがあった場合でも、相手チームにフリースローは与えられません。
テクニカルファールがコールされた時
テクニカルファールは、簡単に言ってしまえば「スポーツマンらしくない不適切な言動やジェスチャー」に対してコールされるファールです。
例えばAチームのプレイヤーにテクニカルファールがコールされると、Bチームにフリースローが1本与えられます。
フリースロー時のルール
フリースローがどんな時に与えられるのかわかったところで、続いてフリースローの時のルールをおさらいしていきましょう。
フリースロー時のルールは「シューター」と「シューター以外」とに分かれますので、まずはそれぞれについて簡単に紹介していきますね。
シューターのルール
- ボールをもらってから5秒以内に打たなければならない。
- 打ったボールがリングに当たるまで、その場を離れることができない。
- ラインを踏んではいけない。
- エアーボールにしてはいけない。
- フリースローのフェイクをしてはいけない。
シューター以外のルール
シューターとシューター以外とでこのようにルールが違います。次の章からさらに詳しくルールの紹介をしていきますね。
シューターのフリースローに関するルール
シューターのフリースローに関するルールをさらに詳しく解説していきますね。
先ほど紹介した通り、シューターには以下のようなルールが適用されます。
- ボールをもらってから5秒以内に打たなければならない。
- 打ったボールがリングに当たるまで、その場を離れることができない。
- ラインを踏んではいけない。
- エアーボールにしてはいけない。
- フリースローのフェイクをしてはいけない。
ボールをもらってから5秒以内に打たなければならない。
審判からボールを与えられたあと、5秒以内にボールを放たなければならない
(出典:JBAルールブック フリースローのルール43-2-3より)
シューターは、審判からボールを渡されてから5秒以内にシュートを打たなければいけません。厳密に言うと、審判が5秒を数える前に、ボールが手から離れていなければなりません。
試合をしていてフリースローの5秒バイオレーションに遭遇した経験はまずありませんが、必ず覚えておいてくださいね。
なお、5秒以内にシュートが打てなかった場合には、そのシュートは無効となります。
NBAの場合は、ボールをもらってから10秒以内にボールが手から離れていれば、そのシュートは有効です。
打ったボールがリングに当たるまで、その場を離れることができない。
ボールがバスケットに入るかリングに触れるまでは、フリースローラインまたは制限区域内のフロアに触れてはならない
(出典:JBAルールブック フリースローのルール43-2-3より)
自分自身の打ったボールが、リングに当たるまではフリースローラインよりもリング側に動いてはいけません。要は、フリースローラインを超えてはならない、ということです。
例えばシュートを打った時にバランスを崩してしまい、フリースローラインよりも前に出てしまったというケースは見たことがありますが、余程のことがない限りはシュートを打った瞬間にゴールに向かって走り出すことはありません。
試合終盤など場合によっては、打った瞬間にフリースローラインを超えてリバウンドに走ることもありますが、ごく稀です。
ラインを踏んではいけない。
シュートを打つとき、打ってからリングに当たるまではフリースローラインを踏んではいけません。
中学生以上になるとフリースローラインを踏むケースは滅多にありませんが、ジャンプしながらフリースローを打つ場合にはフリースローラインを踏んだり超えてしまう場合があります。
特にミニバスのプレイヤーや、普段ジャンプをしながらフリースローを打っている人は注意が必要です。
エアーボールにしてはいけない。
打ったシュートがリングに当たらなかった場合や、ボードにしか当たらなかった場合にはエアーボールとなります。最後のフリースロー時にエアーボールになった場合には、相手のスローインから試合が再開されます。
NBAの試合でも時折エアボールを見かけることはあるので、どんなプレイヤーであっても注意が必要ですね。
フリースローのフェイクをしてはいけない。
フリースローをするふりをして途中でわざとやめてはならない
(出典:JBAルールブック フリースローのルール43-2-3より)
フリースローは、シュートフェイクが禁止されています。
NBAの試合を見ていると、故意ではないもののシュートフェイクにも見えるルーティーン(※決まり切った流れ)もありますが、あまりコールされることはありません。
僕自身は、練習試合で1度だけコールされたことがあります。当時はシュートフェイクがダメだというルールを知りませんでしたが、念のため覚えておきましょう。
シューター以外のプレイヤーのフリースローに関するルール
シューター以外のプレイヤーのルールについても、わかりやすく紹介していきますね。
先ほど紹介した通り、シューター以外のプレイヤーには以下のルールが適用されます。
フリースローレーンには、オフェンスが2人・ディフェンスが3人並ぶようにしましょう。それ以外のプレイヤーは、3Pラインよりも外にいなければなりません。 試合終盤になると、オフェンスの2人がフリースローレーンに並ばないことがあります。フリースローが終わった後のディフェンスに備えるための手段の1つです。 なお、フリースローレーンのどこに並ぶかは決められており、自チームに認められていないリバウンドの位置に立つと、バイオレーションとなるケースがありますので、覚えておきましょう。 フリースローのときにリバウンドの位置を占めないプレイヤーは、フリースローが終わるまでフリースローラインの延長線上より後ろでスリーポイントラインの外側にいなければならない。 (出典:JBAルールブック フリースローのルール43-2-5より) また、前述した「フリースローレーン」に並ばない両チームのプレイヤーは、規定のラインよりも後ろにいなければなりません。次のプレイに備えて、3Pラインの外側にいるようにすれば、基本的にはOKです。 シューター以外のプレイヤーは、シューターの手からボールが離れるまではラインを超えて移動することができません。 フリースローレーンにいるプレイヤーは、フリースローレーンの中には入れませんし、3Pラインの外にいるプレイヤーは3Pラインの中に入ることができません。 ただ、リバウンドのためのポジション争いが激しく、「シューターの手からボールが離れる前に、フリースローレーンの中に入ってしまう」ことはよくあります。 ラインを超えて移動した場合には、フリースローのやり直しとなります。 フリースローのとき、リバウンドの位置にいるプレーヤーは奥行き1mのそれぞれのスペー スに交互に位置する権利を有する。(図6参照) これらのプレーヤーは、フリースローが行われている間、次のことをしてはならない: ◦自チームに認められていないリバウンドの位置に立つ ◦ボールがフリースローシューターの手から離れる前に、制限区域やニュートラルゾーンに 入ったりリバウンドの位置を離れたりする ◦何らかの言動によってフリースローシューターの邪魔をする (出典:JBAルールブック フリースローのルール43-2-4より) コールされるファールによっても、フリースローは若干ルールが異なります。ちなみにですが、ファールによって、シュートを打つ人が違いますので、確認をしておきましょう。 このようになっています。 それでは、次の章からファールによって違うフリースローのルールを確認していきましょう。 シュートモーションであると審判が判断した場合のファールで、その時のシュートが外れた場合。 この時は、2ポイントエリアなら2本、3ポイントラインよりも外なら3本、フリースローを打つことができます。 シュートモーションであると審判が判断した場合のファールで、その時のシュートが入った場合。 この場合には、打ったシュートは得点に加算され、ボーナスフリースローとして、1本打つことができます。 このように、打ったシュートが入ってさらにフリースローを得た際には「バスケットカウントワンスロー」を略して「バスカン」や「エンドワン」と言ったりします。 そして、このボーナスのフリースローが入ると、「3ポイントプレイ」や「4ポイントプレイ」と言ったりします。これらは専門用語なので、覚えておくといいかもしれないですね。 フレイグラントファールという、悪質なファールをコールした場合。 シュート時のファールでない場合や、2ポイントシュートへのファールの場合には2本。3ポイントシュートへのファールの場合には3本のフリースローを、それぞれ打つことができます。 なお、この場合にはシュートを打つプレイヤー(シューター)以外は、フリースローレーンに入ることができず、3Pラインよりも外にいなくてなりません。そして、その直後の攻撃権はシュートを打った側に与えられます。 テクニカルファールがコールされた場合には、1本のシュートが与えられます。シューター以外はフリースローレーンに入ることができず、3ポイントラインよりも外にいなくてはなりません。 このフリースローは成功・失敗に関わらず、もともとテクニカルファールが起こった際に攻撃をしていたチーム、あるいは攻撃権が与えられることになっていたチームに、直後の攻撃権が与えられます。 テクニカルファールというのは特定の個人に対してのファールではない場合がほとんどなので、シューターはコートに立っているプレイヤーの中から選ぶことができます。 テクニカルファールはどんな場面でコールされるのでしょうか?詳しい内容は以下の記事で詳しく触れているので、気になる人は読んでみてください。 ディフェンス側のチームファールが、各クォーターの規定数に達していて、何かしらのパーソナルファールをしてしまった場合。 シュートモーション時のファールでも、シュートモーション時以外のファールに対しても、チームファールが溜まっている場合には、2本のフリースローを打つことができます。 テクニカルファールに相当するバイオレーションがコールされた場合。これは、NBAでよく見られるもので、日本ではあまり見られませんが、念のため書いておきます。 この時は、通常1本のフリースローが与えられます。シュートの成功・失敗に関わらずシューター側のチームに直後の攻撃権が与えられます。 この場合、シューターはコートに立っているプレイヤーから選ぶことができます。 ここで1度おさらいをしておきましょう。 フリースローを打つ人は、ファールの種類によって違います。 シュート時のファール、フレイグラントファール、チームファールが溜まっている時のパーソナルファールの場合には、そのファールを受けた本人がフリースローを打ちます。 テクニカルファール、テクニカルファールに相当するバイオレーションを審判がコールした場合には、フリースローを打つ人はコートに立っている5人の中から選ぶことができます。 フリースローの後には攻撃権が変わりますが、その時のルールについても紹介しておきます。 このようになっています。 フレイグラントファール、テクニカルファール、テクニカルファールに相当するバイオレーションの場合には、フリースローレーンにはシューター以外入ることができないので、そもそもリバウンド争いがありません。 悪質なファール・バイオレーションとしてコールされているので、攻撃権は自動的にシュートを打ったチームになるのです。 この「シュートを打つシューター」「フリースローの後の攻撃権」の2点は頭に入れておいてくださいね! フリースローの時、審判はどのようにすればいいのでしょうか。 上記3つを解説していきます。 基本的に審判は2人でやりますよね。その2人の立ち位置は、 となります。 少し見にくいかもしれませんが、このような感じですね。 役割としては、 をします。 このような役割があります。この後の章でジェスチャーやカウントについては詳しく説明します。 フリースローの時のジェスチャーは、ゴールの下の審判は、ボールを渡す際に指でシュート本数を見せるだけでOKです。 その時には3本なら「スリーショット」、2本なら「ツーショット」、1本なら「ワンショット」とコールしましょう。指の本数もそれに合わせて変えてくださいね。 3ポイントラインの外にいる審判は、カウントをする時に手を使いましょう。 片方の手を横に伸ばして曲げてを繰り返します。腕を曲げた状態から、1秒毎に腕を伸ばしましょう。 フリースローのカウントは、「3Pラインの外にいる審判」のみ行います。 ボールがゴール下の審判からシューターに渡されてから5秒数えます。これは、ボールをもらってから5秒以内にシュートを打たなければいけない、というルールのためです。先ほど書いたジェスチャーを行いながら数えましょう。 5秒経ってもシュートを打っていない場合にはホイッスルを鳴らし、そのフリースローを止めてください。そのフリースローは無効となります。 この、カウントをする際に気になってしまうのが「どのくらいの速さでカウントすればいいのか」ということだと思うのですが、これは自分の感覚で構いません。ストップウォッチなどを使わずに正確に5秒を数えることは不可能なので、自分の中での5秒でカウントしてください。 もし「自分の感覚は早いと感じている」ようであれば、ほんの少しだけゆっくりにしてみてください。 バスケを初めて間もないプレイヤーの場合には、フリースローをどうやって投げたらいいかわからないと感じることもありますよね。僕も初めたばかりのころはよくわからなくて、他の人のシュートを見よう見まねで真似しながら自分の打ち方を確立させていきました。 まずは、上手い人のフリースローの投げ方、フォーム、ルーティーンを見よう見まねでやってみることをオススメします。 参考までに僕のフリースローを撮影した動画があるのでそれを載せておきますね。
フリースローレーンに規定の人数が並ぶ。
規定のラインよりも後ろにいなければならない。
シューターの手からボールが離れるまではその場を移動することができない。
ファールによって違うフリースローのルール
シュート時のファール(シュートが外れた場合)
シュート時のファール(シュートが入った場合)
フレイグラントファール
テクニカルファール
チームファールが溜まっている場合
テクニカルファールに相当するバイオレーションがコールされた場合
おさらい
フリースローの時、審判はどうすればいい?
フリースローの時の立ち位置
フリースローの時のジェスチャー
フリースローの時のカウント
フリースローの投げ方がわからない
これは僕のフリースローの一連の流れです。
- 左右の手にストレスをかけないで、力を抜く。
- 基本的にずっとゴールを見ておく。
- 打ち終わった後の右手がリングに向くように意識する。
- ボールは必ず綺麗な回転が見えるように、面に合わせて持つ。
このくらいです。
そして、僕のルーティーンもぜひ見てもらいたいなと思うのですが、僕の場合には
- ボールをもらう。
- 右手で回転をかけて左の手のひらを転がす。
- 細かいドリブルを3回つく。
- 右手で回転をかけて左の手のひらを転がす。(1回目よりも少し大きめにやる)
という形で行なっています。ちょっと長めに時間を使っているように見えるかもしれないですが、5秒のバイオレーションをコールされたことはないですね。
このルーティーンは僕は中学生の時から使い始めたのですが、自分の中での流れ・タイミングをルーティーンをこなすことで創り出すことができるんです。息が上がっていない時でも、息が上がっている時でも、いつもと同じタイミング・精神状態で打つことができるのでルーティーンは絶対に身につけたほうがいいです。
人それぞれ流れがあるので、僕と同じルーティーンをやってみてやりにくい人は絶対にいます。なので、「こんなルーティーンもあるんだな」程度に捉えてください。自分の1番いい「フリースローを打つ流れ」を身体に染み込ませてみてください。
フリースローのときは邪魔できない?
相手チームがフリースローを打つ時には、基本的に邪魔をすることができません。NBAなんかではアウェイのプレイヤーがフリースローを打つ時には、観客が邪魔していますが、小中高ともなると、ほとんど邪魔できません。
コートに立っているプレイヤーの場合には、邪魔をしようとしたらテクニカルファールを吹かれたりフリースローのやり直しになったりします。
ですが、僕はコートに立っていながらもフリースローの時に邪魔をしていました!!
僕は身長が小さいのでいつも3ポイントラインの外にいるプレイヤーだったのですが、3ポイントラインの外からわざとバッシュをフロアに擦り付けて「キュッキュ」という音を不規則に出していましたね。
リズムを狂わせるために一定のリズムでは鳴らさず、不規則に鳴らします。この邪魔をした効果があったのかはわかりませんが、結構外れていたように思います。正確な数字はさすがに覚えていませんが・・・。
審判に注意されない程度にやってみるのはいいかもしれないですね。
まとめ
今回の記事では、フリースローについてまとめてきました。
- シューター、シューター以外のルール
- フリースローを誰が打つのか
- 審判をやった場合には、どんな動きをすればいいのか
- どんな風にフリースローを打てばいいか
などを書いてきました。
フリースローは1点なのでないがしろにされがちな部分ですが、タイマーを止めて得点できる唯一のルールです。しかも誰にも邪魔されることなくその名の通り「フリー」で打つことができます。
NBAを観ていても、フリースローの出来が勝敗を分けるケースはよくあります。特に接戦になってくると、1本1本のフリースローの重みは全然違ってきます。
勝利の鍵を握ることが大いにあり得るので、フリースローは必ず入るように身につけましょう。
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